冬のノルウェーで人気なアクティビティといえば、やっぱりホエールウォッチング。
目の前でクジラがジャンプする瞬間は圧巻で、旅のハイライトになること間違いなしです。
でも、初めて参加するとなると…
「どの時期に行けば会えるの?」
「ツアーってどんな雰囲気?」
「服装や持ち物は?」
と、気になることも多いですよね。
この記事では、実際にトロムソ発のホエールウォッチングツアーに参加した体験談を中心に、現地の様子やツアーの流れ、防寒のコツまでわかりやすくまとめました。
オーロラだけでなく、冬の海で出会う野生のクジラは忘れられない感動をくれます。
トロムソ旅行に「+αの自然体験」を加えたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
クジラに会えるのはいつ?
ノルウェー北部でホエールウォッチングが楽しめるのは、例年11月〜1月下旬ごろまで。
この時期はクジラたちがニシンを追ってフィヨルド近くにやってくるため、比較的陸に近い海域でも出会える可能性が高まります。
年によっては到来が早まり、10月中旬ごろからツアーが始まることもあるので、最新のスケジュールをチェックしておくと安心です。

極夜シーズンでもツアーは楽しめる?
結論:十分楽しめます◎
11月下旬〜1月中旬のトロムソは「極夜(きょくや)」の時期にあたり、太陽が地平線から昇らない日が続きます。
「一日中真っ暗なのでは?」と思われがちですが、実際には昼前後に薄明るい時間帯があり、完全な暗闇ではありません。
ツアーはその時間帯に合わせて運行されるため、クジラの姿や周囲のフィヨルドの景観をしっかり楽しめます。
出発は朝7〜8時台が一般的なので、前日の夜は早めに休んで備えるのがおすすめです。
クジラはどこで見られる?おすすめエリアと参加方法
冬の間、クジラたちは主食であるニシンを追いかけて北ノルウェー沿岸を移動します。
そのため、ホエールウォッチングのスポットも「ニシンがどこに集まるか」によって変わってきます。
ここ数年の“ホットスポット”として知られているのが、リンゲンフィヨルド周辺(Lyngenfjorden)やシャルヴォイ(Skjervøy)です。
🌟シャルヴォイ(Skjervøy)
ノルウェー北部にある人口約3,000人の小さな漁村。
冬のシーズンはホエールウォッチングとオーロラ鑑賞の拠点として人気を集めています。
近年はニシンの大群がこのエリアに集まり、シャチやザトウクジラの格好の餌場に。
それに伴って、ホエールウォッチングを目的に訪れる旅行者も年々増えています。
参加方法は2つ:トロムソ発 or シャルヴォイ発
ホエールウォッチングツアーに参加する方法は、大きく分けて次の2つです。
- トロムソ発ツアーに参加する
(旅行者におすすめ!) - 自力でシャルヴォイへ移動し、現地発ツアーに参加する
① トロムソ発ツアー(旅行者におすすめ)
もっとも手軽で旅行者に人気があるのがこの方法。
朝にトロムソの港からボートやカタマランに乗り込み、海路でシャルヴォイ周辺のフィヨルドへ向かいます。
現地でホエールウォッチングを楽しんだあと、夕方にはそのままトロムソに戻れる日帰りプランです。
- メリット:アクセスを気にせずスムーズ。短い滞在でも参加しやすい。
- デメリット:出発時間が朝早く、移動を含めると1日がかりになる。ツアー会社や出発時間の選択肢は限られる。
② シャルヴォイ発ツアー(現地滞在型)
旅程に余裕があるなら、シャルヴォイまで移動して現地発ツアーに参加する方法もあります。
- メリット:ツアー会社や時間の選択肢が広がる。オーロラ観測や宿泊と組み合わせやすい。
- デメリット:移動に時間がかかるため、スケジュール調整が必要。
シャルヴォイへのアクセス方法(自力で行く場合)
トロムソからシャルヴォイまでは複数の移動手段があります。
いずれも所要時間はかかりますが、朝早く出発すれば日帰りも可能です。
出発地点はいずれもトロムソ中心部にある「Prostneset(プロストネセット)ターミナル」。
観光エリアから徒歩でアクセスでき、朝早い出発でも安心です。
✅ 定期観光バス(The Whale Route Bus)
旅行者向けのシャトルバス。予約制で11月1日〜1月31日まで毎日運行。
→ ツアー時間に合わせて確実に移動したい人向け。
[定期観光バスのチケットはこちら]
✅ 路線バス
ProstnesetターミナルからSkjervøy kaiまで乗り換えありで片道約4時間。
→ 費用を抑えて旅を組み立てたい人向け。
[路線バスの時刻表はこちら]
✅ 高速フェリー
トロムソ〜シャルヴォイ間を1日1便、所要約2時間。
→ 移動時間を短縮したい&景色も楽しみたい人向け。
[高速フェリーの時刻表はこちら]
✅ クルーズ船(Hurtigruten)
ノルウェー沿岸を巡る定期クルーズの一部区間を利用。所要約4時間。
→ 船旅気分を味わいたい人向け。
[Hurtigruten公式はこちら]
✅ レンタカー
片道約160km、所要約4時間。途中でフェリーを利用すれば距離短縮も可能。
→ 時間もルートも自由に決めたい&雪道運転に自信がある人向け。
💡体験者のひとこと
ここまでアクセス方法を紹介しましたが、実際に私自身はレンタカーを使ってシャルヴォイまで行きました。
ただ、冬道は雪やアイスバーンが多く、慣れていないと大変です。
旅行者には、やはり トロムソ発ツアーの方が安心で参加しやすい と感じました。
どんなツアーがある?ボートの種類と特徴をチェック!
トロムソ発のホエールウォッチングツアーには、RIBボート と カタマランボート の2種類があります。
「迫力を優先するか」「快適さを優先するか」で選び方が変わってくるので、旅のスタイルに合わせて検討してみましょう。
RIBボートツアー|スリル満点!クジラを間近で追いかける
全身を覆う防寒スーツを着て、スピード感のある小型RIBボートで出発。
海風を浴びながらクジラを探す体験は、まさにアドベンチャーです。
🌟こんな人におすすめ
✔ クジラをできるだけ近くで見たい
✔ 少人数の落ち着いた雰囲気が好き
✔ ちょっと冒険気分を味わいたい
- シャチやザトウクジラを至近距離で観察できる
- 少人数制(最大12名)で集中して楽しめる
- 観察タイムがしっかり確保される
- 風を直接受けるためとても寒い
- 小型ボートのため揺れが大きく、船酔いしやすい
- 水しぶきで濡れる可能性あり
- 天候が悪いと中止になることも
- 身長制限あり(通常140cm以上)
カタマランボートツアー|快適さ優先でのんびり派にぴったり
暖房完備の船内で過ごしながら、デッキに出てクジラを探すスタイル。
トイレやWi-Fi付きの船もあり、寒さが心配な方でも安心です。
🌟こんな人におすすめ
✔ 寒さが苦手
✔ 船酔いが心配
✔ 子どもや高齢の家族と一緒に参加したい
- 船内は快適(暖房・トイレ・Wi-Fi完備)
- 天候が悪くても催行されやすい
- ハイブリッド船なら環境にも配慮◎
- 年齢問わず幅広い人が参加しやすい
- クジラとの距離はやや遠め
- 船の移動時間が長く、観察時間が短めになることも
- 混雑時はデッキや座席が限られる場合あり
クジラに出会える確率は?
ツアー会社の案内によると、冬のトロムソでのホエールウォッチングは 約95%の高確率でクジラやシャチに出会える とされています。
とはいえ、相手は野生動物。自然条件によっては、まれに姿を見せてくれない日もあります。
そんなときでも安心なのが、ツアー会社によって用意されている 「ホエール・ギャランティ(whale guarantee)」。
これは「クジラが見られなかった場合は、もう一度無料でツアーに参加できる」という保証で、旅行者にはうれしい仕組みです。
予約時に “再チャレンジ保証” の有無を確認しておくと、より安心して参加できますよ。
実際に参加した体験談

シャルヴォイ発・RIBボートツアーに参加!
今回私が参加したのは、シャルヴォイ発着のRIBボートツアー。
トロムソ発のカタマランツアーとも迷いましたが、「クジラをできるだけ間近で見たい!」という気持ちから、スリル満点のRIBを選びました。
「現地集合だから少人数かな?」と思っていたら、当日は2隻とも満席。
1隻につき最大12名までの少人数制で、参加者は全員海外からの旅行者でした。
ひとり旅の人も多く、リラックスした雰囲気で参加しやすかったのが印象的です。
参加して感じた魅力
シャルヴォイ発ツアーの最大の魅力は「他のツアーより早く現地入りできる」こと。
トロムソ発だと片道に約3時間かかるため、到着するころにはすでに昼になってしまいます。
その点、シャルヴォイ発なら早朝に出航できるので、混み合う前にホエールスポットへ直行可能。
観察時間もしっかり確保できて、クジラやシャチをじっくりと眺められます。
しかもこの日は大当たり!
次々とクジラやシャチが登場し、ツアーは予定の3時間からさらに1時間延長されるほどの大サービスでした。
参加した時期と天候・服装準備
私が参加したのは11月上旬。
極夜にはまだ入っていなかったので、日中の明るさの中でしっかり観察できました。
天候は快晴で、海も穏やか。ベストコンディションでしたが、最高気温は0℃で体感はさらに寒く感じました。
📊 Skjervøyの平均気温:
Skjervøy | 最高気温 | 最低気温 | 降雨日数 |
---|---|---|---|
11月 | 2 | -4 | 9日 |
12月 | 0 | -6 | 10日 |
1月 | -2 | -9 | 8日 |
ツアーで提供された装備

ツアーには基本的な防寒着や防寒具が含まれています。
- 防寒つなぎ(ライフジャケット付き)
- 厚手ミトン手袋
- ゴーグル
- 長靴(サイズ&数に限りあり)
※ 特に女性や子ども用の小さいサイズは少なめなので注意!
当日の私の服装
- 極暖ヒートテック上下(ユニクロ)
- ハイネックセーター
- 厚手トレッキングパンツ
- 厚手ウールソックス
- ニット帽・ネックウォーマー
→ この上にツアー提供の防寒スーツを着用しました。
※ ただし私はロング丈のアウターを着ていたため、防寒スーツと重ね着できず…。結局アウターは脱いでスーツだけ着ました。丈が短めのアウターがベターです!
持って行ってよかったもの
- 防水バッグ(スマホ・カメラ用)
- 酔い止め
- ポケットティッシュ
※ RIBボートは水しぶきがかかることもあるので、カメラやスマホは防水バッグに入れておくと安心。
そして寒さで鼻水も出やすいので、ポケットティッシュも必需品です!
「あればよかった!」と思ったもの
- 丈の短いアウター(防寒スーツの下に着やすい)
- 薄手の手袋(ミトンの下に重ねる用)
- 二重履きソックス
- 双眼鏡(遠くのクジラ観察に◎)
特に手袋は盲点でした!
ミトンは暖かいけれど分厚くてカメラ操作がしにくく、素手で構えていたら手がかじかんで大変…。薄手の手袋をインナーとして重ねておけばよかったと強く思いました。
実際に出会えた野生動物たち

今回のRIBボートツアーで出会えたのは、この2種類。
この日は何頭ものザトウクジラが登場し、
潮を吹く「ブロー」や、潜る前に尾びれを高く上げる「フルークアップ」を至近距離で観察できました。
さらに感動したのが、シャチの群れがボートのすぐ横までやってきた瞬間!
水面に背びれが並んで進む姿は圧巻で、息をのむ光景でした。
ちなみに…
運が良ければ、ナガスクジラ(地球上で2番目に大きいクジラ)やマッコウクジラに出会えることもあるそうです。
その日そのときの海の状況で出会える動物が変わる――それこそが野生動物ツアーの一番の魅力だと感じました。
まとめ
今回は、冬のノルウェーで人気のアクティビティ「ホエールウォッチング」について、
実際に参加した体験談をまじえながらご紹介しました。
ツアーは大きく分けて2タイプ
- RIBボート・ツアー(少人数・迫力重視)
- カタマランボート・ツアー(快適さ重視)
- クジラやシャチを できるだけ間近で見たい!
- アウトドアやアクティブな体験が好き
- 朝早く起きるのは平気(日帰りの場合)
今回はこのRIBボートツアーに参加して、クジラたちと超至近距離で出会えました!
海の上で感じたあの緊張感と感動は、トロムソ旅行のハイライトに◎
- 寒さがちょっと心配…
- ゆったりクルーズ気分で景色も楽しみたい
- 子どもと一緒に参加したい
暖房付きの船内で快適に過ごせるのが最大の魅力。ゆったりした旅を楽しみたい方にはぴったりです。
せっかくトロムソまで行くなら、オーロラ鑑賞に加えてホエールウォッチングもプラスするのが断然おすすめ。
冬の北極圏でしか体験できない大自然の迫力を、ぜひ現地で味わってみてくださいね!