【スヴァールバル諸島】現地スーパーの物価や品揃えを徹底調査

暮らし

スヴァールバル諸島のロングイェールビーンでは、街のあちこちに「世界最北端の○○」というフレーズがあふれています。

もちろん、スーパーマーケットもそのひとつ。

“世界でいちばん北にあるスーパー”って、どんな感じなのか気になりませんか?

極地にあるスーパーの品揃えって?物価はどれくらい?

というわけで、今回は現地スーパーの実際の様子と、商品の価格についてレポートしてみました。

スヴァールバル諸島への旅を考えている方は、現地での食費の参考にぜひチェックしてみてくださいね。

ノルウェー本土と税制の違い

物価を語るうえでまず気になるのが、税金の違い

スヴァールバル諸島では、ノルウェー本土とは税制度が少し異なります。

まずはそのあたりから見ていきましょう。

北欧といえば「消費税が高い」というイメージですが、スヴァールバル諸島はちょっと特別。

実は、消費税(付加価値税/VAT)が一切かからないんです!

ではその分、物価は本土より安くなっているのでしょうか…?

スヴァールバルノルウェー
標準税率0 %25 %
食品・飲料0 %15 %
日用品0 %25 %
酒類0 %25 %

極地の物価、実際どう?

今回、ノルウェー本土の価格は北部の都市・トロムソ市内中心部にあるスーパーを参考にしました。

スヴァールバル諸島との違いがわかりやすいように、同じ系列のスーパーで、まったく同じ商品を選んでいます。

ノルウェーでは、同じ食品や日用品でもブランドによって価格差がけっこう大きいんです。

そこで今回は、自社ブランド品などできるだけ安価な商品をピックアップして比べてみました。

ちなみに、スヴァールバル諸島にあるスーパーは「Coop Svalbardbutikken」たった1店舗のみ

生活必需品は、基本的にすべてここで調達します。

乳製品・卵

現地スーパーの乳製品売り場

それではさっそく、商品の値段をチェックしていきましょう!

まずは乳製品と卵から。

スヴァールバルノルウェー
牛乳
(1パック・1L)
29.90 kr
(420円)
22.20 kr
(310円)
生クリーム
(1パック・300ml)
32,90 kr
(460円)
22.80 kr
(320円)
ヨーグルト
(4個入り)
35.90 kr
(500円)
23.40 kr
(330円)
バター
(1箱・500g)
65.90 kr
(920円)
49.00 kr
(690円)
サワークリーム
(1個・300g)
33.90 kr
(480円)
19.90 kr
(280円)
スライスチーズ
(1パック・300g)
61.90 kr
(870円)
51.90 kr
(730円)
ピザチーズ
(1袋・300g)
49.90 kr
(700円)
44.40 kr
(620円)

(6個入り)
29.90 kr
(420円)
24.40 kr
(340円)

(18個入り)
64.90 kr
(910円)
54.20 kr
(760円)
1kr = 14円で概算

スヴァールバル諸島では牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品はすべて空輸品。

そのため、ノルウェー本土と比べるとやはり少し高めの印象です。

野菜・果物

現地スーパーの野菜売り場

続いて、野菜と果物。

野菜や果物は基本的に量り売りが多いですが、今回はわかりやすいように袋詰めやパック入りの商品を中心にピックアップしてみました。

スヴァールバルノルウェー
きゅうり
(1本)
33.50 kr
(470円)
29.90 kr
(420円)
ブロッコリー
(1株)
33.60 kr
(470円)
21.90 kr
(360円)
トマト
(1パック・400g)
60.00 kr
(840円)
44.90 kr
(630円)
玉ねぎ
(2個)
39.30 kr
(550円)
20.40 kr
(290円)
にんにく
(1ネット・100g)
14.90 kr
(210円)
19.90 kr
(280円)
にんじん
(1袋・1kg)
35.60 kr
(500円)
34.90 kr
(490円)
マッシュルーム
(1パック・250g)
24.90 kr
(350円)
17.90 kr
(250円)
パプリカ
(3個)
43.60 kr
(610円)
38.20 kr
(540円)
アスパラガス
(1束・250g)
72.50 kr
(1,015円)
49.90 kr
(700円)
アボカド
(1個)
48.00 kr
(670円)
37.90 kr
(530円)
ミックスサラダ
(1袋・200g)
44.20 kr
(620円)
26.30 kr
(370円)
りんご
(6個)
66.80 kr
(940円)
54.90 kr
(770円)
ぶどう
(1パック・500g)
60.40 kr
(850円)
29.90 kr
(420円)
バナナ
(1kg)
38.40 kr
(540円)
29.90 kr
(420円)
オレンジ
(1kg)
46.70 kr
(650円)
14.90 kr
(210円)
いちご
(1パック・400g)
67.67 kr
(950円)
46.90 kr
(670円)
ブルーベリー
(1パック・225g)
74.90 kr
(1,050円)
49.90 kr
(700円)
ラズベリー
(1パック・125g)
49.50 kr
(690円)
42.90 kr
(600円)
1kr = 14円で概算

やはりスヴァールバル諸島では、鮮度が命の野菜や果物は全体的に割高です。

とくに日持ちしないカットサラダやミックス野菜は、顕著な価格差が出ていました。

一方で、ニンニクのように常温保存がきく野菜は、意外にもスヴァールバル諸島のほうが安かったりします。

肉・肉加工品

次は、お肉と肉加工品。

スヴァールバルノルウェー
牛ひき肉
(1パック・400g)
98.90 kr
(1,390円)
82.40 kr
(1,150円)
豚ひき肉
(1パック・400g)
71.80 kr
(1,010円)
63.20 kr
(890円)
鶏ひき肉
(1パック・400g)
53.90 kr
(760円)
40.80 kr
(570円)
鶏肉ささみ
(1パック・750g)
165.90 kr
(2,320円)
134.20 kr
(1,880円)
牛リブロース肉
(1パック・380g)
206.30 kr
(2,890円)
161.50 kr
(2,260円)
牛サーロイン肉
(1パック・350g)
197.00 kr
(2,760円)
163.50 kr
(2,290円)
豚ロース肉 骨付き
(1パック・900g)
122.90 kr
(1,580円)
94.20 kr
(1,320円)
ソーセージ
(1パック・600g)
61.90 kr
(870円)
52.40 kr
(730円)
ベーコン
(1パック・140g)
45.90 kr
(640円)
33.40 kr
(470円)
スライスハム
(1パック・150g)
44.90 kr
(630円)
33.30 kr
(470円)
1kr = 14円で概算

生鮮食品の多くが空輸で届くスヴァールバル諸島では、当然ながらお肉の値段も全体的に高め。ノルウェー本土と比べると、やはり割高な印象です。

特に牛肉や鶏肉は価格差が目立ちますね。

ソーセージやハムなどの加工品も、本土より1~2割ほど高めの価格帯が多く見られました。

魚介類

冷凍の魚介類

スヴァールバル諸島のスーパーには鮮魚コーナーもありますが、実際に新鮮な魚介類が並んでいることはあまり多くありません。

そのため、普段の買い物では冷凍の魚介類がメインになっています。

今回は、価格表示がはっきりしていて比較しやすい冷凍品を中心に、価格を比べてみました。

スヴァールバルノルウェー
鮭・冷凍
(切り身・4切れ)
127.90 kr
(1,790円)
115.80 kr
(1,620円)
生鮭
(切り身・4切れ)
205.90 kr
(2,880円)
137.70 kr
(1,930円)
タラ・冷凍
(切り身・4切れ)
135.90 kr
(1,900円)
129.00 kr
(1,800円)
えび・冷凍
(1袋・800g)
275.90 kr
(3,860円)
229.00 kr
(3,200円)
スモークサーモン
(1パック・150g)
33.80 kr
(470円)
29.70 kr
(420円)
1kr = 14円で概算

ノルウェーといえば、やはり定番はサーモン。

冷凍の鮭やスモークサーモンに関しては、スヴァールバル諸島と本土でそこまで大きな価格差はありませんでした。

ですが、生の鮭になると話は別。価格差はかなり大きく、スヴァールバル諸島のほうが大幅に高くなっています。

飲料

現地スーパーの飲料売り場

以前、ノルウェー本土では、チョコレートやお菓子、ソフトドリンクなどの“甘いもの”に対して「砂糖税」が課されていました。

そのため、課税されないスヴァールバル諸島のほうが「お菓子や飲料は安く買える」とよく言われていたんです。

ところが砂糖税がすでに廃止された現在、あらためて価格を比べてみると──ちょっと意外な結果に。

スヴァールバルノルウェー

(1.5L)
9.90 kr
(140円)
7.90 kr
(110円)
炭酸水
(1.5L)
9.90 kr
(140円)
8.90 kr
(125円)
コカ・コーラ
(1.5L)
31.90 kr
(450円)
24.90 kr
(350円)
オレンジジュース
(1L)
29.90 kr
(420円)
28.40 kr
(400円)
インスタントコーヒー
(100g)
85.90 kr
(1,200円)
49.90 kr
(700円)
紅茶
(25ティーバッグ)
52.90 kr
(740円)
37.40 kr
(520円)
1kr = 14円で概算

飲料は全体的に、スヴァールバル諸島のほうが割高。

とくにインスタントコーヒーや紅茶などは、価格差がかなり大きく感じられます。

お菓子

お菓子類も同様で、スヴァールバル諸島のほうが高い傾向にあり、なかには2倍以上の差がある商品も…。

スヴァールバルノルウェー
ポテトチップス
(1袋・190g)
39.80 kr
(560円)
16.30 kr
(230円)
ミルクチョコレート
(1枚・200g)
47.80 kr
(670円)
24.90 kr
(350円)
オレオクッキー
(1袋・154g)
32.70 kr
(460円)
22.90 kr
(320円)
リッツクラッカー
(1箱・150g)
28.90 kr
(410円)
18.70 kr
(260円)
1kr = 14円で概算

個人的には、賞味期限の長い飲料やお菓子は船便で輸送されるぶん、そこまで価格差は出ないと思っていたのですが──

予想に反して、想像以上の開きがあることがわかりました。

「スヴァールバルの方が安いんじゃない?」というイメージは、どうやら過去の話だったようです。

パン・パスタ・米

現地スーパーのパン売り場

パンは店内の厨房で焼き上げられており、パン売り場の品揃えは豊富です。

スヴァールバルノルウェー
パン
(1斤・500g)
45.90 kr
(640円)
24.90 kr
(350円)
クロワッサン
(1個)
24.50 kr
(340円)
27.90 kr
(390円)
バゲット
(1本・135g)
24.90 kr
(320円)
12.00 kr
(170円)
パスタ
(1袋・500g)
24.80 kr
(350円)
18.80 kr
(260円)
グラノーラ
(1箱・450g)
63.90 kr
(900円)
50.90 kr
(710円)
お米・すし用
(1箱・500g)
64.50 kr
(900円)
48.90 kr
(690円)
カップラーメン
(1個)
29.50 kr
(410円)
19.90 kr
(260円)
1kr = 14円で概算

調味料・缶詰

商品棚、醤油とポン酢

ノルウェー本土のスーパーでよく見かける、キッコーマンの醤油やポン酢。

実はスヴァールバル諸島のスーパーでも手に入るんです!

やっぱり日本の調味料はお高めですが、こうして現地で買えるのは本当にありがたいです。

スヴァールバルノルウェー
ケチャップ
(530g)
29.90 kr
(420円)
18.20 kr
(260円)
マスタード
(490g)
23.80 kr
(330円)
15.90 kr
(220円)
サラダ油
(1L)
52.70 kr
(740円)
42.90 kr
(600円)
オリーブオイル
(0.5L)
157.90 kr
(2,210円)
109.00 kr
(1,530円)
キッコーマン醤油
(150ml)
55.90 kr
(780円)
36.70 kr
(510円)
ポン酢
(150ml)
69.90 kr
(980円)
43.40 kr
(610円)
米酢
(150ml)
36.80 kr
(515円)
36.90 kr
(517円)
わさび
(チューブ入り・43g)
61.40 kr
(860円)
51.80 kr
(730円)
砂糖
(1kg)
39.80 kr
(560円)
31.90 kr
(450円)
いちごジャム
(400g)
31.60 kr
(440円)
22.90 kr
(320円)
トマト缶
(400g)
14.90 kr
(210円)
12.90 kr
(180円)
ツナ缶 水煮
(1個・185g)
25.90 kr
(360円)
18.90 kr
(270円)
1kr = 14円で概算

日用品

スヴァールバル諸島では、トイレットペーパーや洗剤、歯ブラシなどの日用品は、コストの安い“船便”で輸送されています。

しかもノルウェー本土と違って、日用品にかかる25%の付加価値税(VAT)もかかりません。

…となると、「スヴァールバルの方が安いのでは?」と思いがちですが──

実際に比べてみると、意外にも価格差はそこまで大きくなく、むしろスヴァールバル諸島のほうが全体的に高いですね。

スヴァールバルノルウェー
トイレットペーパー
(24ロール)
184.20 kr
(2,580円)
154.80 kr
(2,170円)
キッチンペーパー
(4ロール)
52.90 kr
(740円)
41.10 kr
(580円)
サランラップ
(1本)
41.90 kr
(590円)
34.90 kr
(490円)
アルミホイル
(1本)
36.90 kr
(520円)
31.50 kr
(440円)
食器用洗剤
(750ml)
17.50 kr
(250円)
13.90 kr
(200円)
液体洗濯洗剤
(750ml)
69.90 kr
(980円)
55.70 kr
(780円)
柔軟剤
(500ml)
44.90 kr
(630円)
26.90 kr
(380円)
歯磨き粉
(75ml)
19.90 kr
(280円)
17.90 kr
(250円)
ハンドソープ
(300ml)
28.90 kr
(410円)
24.90 kr
(350円)
ボディソープ
(250ml)
35.90 kr
(500円)
27.20 kr
(380円)
シャンプー
(250ml)
29.50 kr
(410円)
25.90 kr
(360円)
コンディショナー
(250ml)
29.90 kr
(420円)
24.90 kr
(350円)
1kr = 14円で概算

船便だからといって大きく安くなるわけではなく、輸送や保管コスト、島内の事情もあって“期待ほど安くはない”のが現実かもしれません。

世界最北のスーパー、品揃えチェック

現地スーパーの店内

ロングイェールビーンにある唯一のスーパー「Coop Svalbardbutikken」は、2021年にリニューアルされて店内はとても広々。

パッと見た感じ、大型スーパーのような品揃えで「意外となんでも揃ってるかも」と思うのですが…

よく見ると、生鮮食品の棚が空っぽなんて日もあります。

というのも、野菜や果物・肉などの生鮮品は火曜と木曜、週に2回だけ空輸で届く仕組み。

そのため月曜や火曜にスーパーへ行くと、商品がかなり品薄なことも多いんです。

さらに悪天候や飛行機のトラブルで便がキャンセルされてしまうと、売り場はかなり寂しい状態に…。

現地スーパーの肉売り場

この日はお肉売り場に残っていたのが、なんとソーセージとナゲットだけ。

そんなときのために、現地では「冷凍肉のストック」が必須アイテムです。

魚介類も似たような状況で、新鮮な魚が並ぶことはあまりありません。

売っていたとしても種類は少なめで、基本的には冷凍ものが中心です。

現地スーパーの生鮮食品売り場
現地スーパーの魚売り場

売り切れた商品には「入荷予定」の貼り紙があるのですが、次の便まで待つしかないのが現実…。

品切れの貼り紙

私が移住してまず驚いたのが、アジア系の食品が思った以上に充実していること!

スヴァールバル諸島に住む外国人の中でも、タイやフィリピン出身の方が多く、2023年時点ではそれぞれ100人以上が暮らしているそうです。

その影響もあって、スーパーにはタイ料理の材料や調味料、日本食材までしっかり揃っています。

アジア食材の商品棚
現地スーパーの米コーナー

なんと「日本食材コーナー」まであるんです。

日本食材コーナー

ちなみに、現地のお酒コーナーではゆず酒が人気のようで、日本酒と一緒に何種類か並んでいました。

現地酒屋の日本のお酒コーナー

“いかにもスヴァールバルっぽい”なと思うのが、スーパーで見かけるドライフードの数々。

アウトドアや遠征が盛んになる春〜夏に向けて、みんなこぞって買いだめする必需品です。

ドライフードコーナー

スヴァールバル諸島では、このスーパーがほぼ唯一の買い物スポット。

だから、食品以外にも…

  • 家電製品
  • 寝具
  • 下着・インナー
  • インテリア雑貨
  • 作業工具
  • 園芸用品
  • ペット用品
  • 化粧品、香水
  • 文房具、おもちゃ
  • 雑誌、書籍

など、生活に必要なものは、ひととおり揃っています。

特に冬の長い極夜の季節には編み物が人気だそうで、毛糸や編み道具のコーナーも。

毛糸や編み物道具コーナー

お土産コーナーもかなり充実しているので、旅行で訪れたときはぜひ立ち寄ってみてくださいね。

現地スーパーのお土産売り場
ぬいぐるみコーナー

まとめ

今回は、世界最北端にあるスーパーの品揃えや物価についてご紹介しました。

人口わずか2,500人の小さな町にあるとは思えないほど、店内は広々としていて、品ぞろえもまるで大型スーパーのよう。

タイミングによっては棚が空になることもありますが、生活に必要な日用品や食材はほとんどこの一店舗でそろえることができます。

スヴァールバル諸島では消費税こそありませんが、空輸や船便による輸送コストがかさむため、全体的な物価はノルウェー本土よりやや高め。

ときには、自炊の方が外食よりも割高になることもあるので、旅行中に節約したい方は商品選びを工夫しながらお買い物を楽しんでみてくださいね。

とはいえ、世界の果てにあるスーパーでのお買い物は、それだけで特別な体験。

スヴァールバル諸島を訪れたら、ぜひ一度この“最北のスーパー”をのぞいてみることをおすすめします!