オーロラを見るために旅行する場合、現地に何日間滞在したらオーロラが見られるでしょうか。
先月、2泊3日の弾丸旅行でオーロラを見にノルウェーのトロムソへ行ってきました。
果たして二晩でオーロラは見られるのか?!
この記事では、そのときの体験談をシェアしたいと思います。
トロムソへのオーロラ旅行を計画する際は、ぜひ参考にしてみてください!
オーロラ旅行には何日必要?
オーロラについてよく聞かれることの一つに、「現地に何日間滞在したら、オーロラが見えますか?」という質問があります。
実はこの質問は、別の記事で紹介した「どのくらいの確率でオーロラが見られるのか?」という質問と同じくらい答えるのが難しいのです。
さまざまな要素が組み合わさって現れるオーロラは自然現象であり、見れるかどうかはやはり運次第だと思います。
1日の滞在でオーロラ爆発に出会える人もいれば、1週間滞在してもまったくオーロラが見られない人もいるというのが実情です。
最低3泊4日から
「○日あれば、オーロラが見られる!」と断言はできませんが、確率を上げるために少なくとも3日間は現地に滞在したいところ。
特に冬のトロムソは天候が不安定で、オーロラが見える夜空を見つけるのが難しい場合があります。
悪天候になることも見越して滞在期間を十分に確保しておくほうがいいでしょう。
日程に余裕がある場合は、トロムソ周辺の北極圏に5泊以上の滞在がおすすめです。
滞在期間が長ければ長いほど、空が晴れてオーロラが出現するチャンスをつかめる可能性が高くなります。
フライト時間、滞在時間
オーロラ旅行の日数を決める際に、ポイントとなるのがフライト時間と現地での滞在時間。
トロムソへの到着時間や最終日の出発時間によっては、同じ3泊4日でも現地で過ごせる時間が変わってきます。
可能であれば、「3泊4日 往路:トロムソ午前着、復路:トロムソ午後発」というスケジュールが時間にゆとりがあって理想的です。
トロムソは小さな街なので、タクシーを利用すれば空港から市街地まで約15分で到着します。
夕方16時ごろまでにトロムソ空港へ到着すれば、早速その日の晩にオーロラツアーに参加することも可能です。
しかし、真冬の北ノルウェーでは天気が荒れることが多く、大幅にフライトが遅れる可能性もあります。
到着日の夜にツアーに参加する場合は、やはり午前中に現地入りしたほうが時間に余裕があって安心です。
例えば「3泊4日、往路:午前着、復路:午後発」の場合、下記のスケジュールとなります。
- 1日目
11:00… トロムソ到着
空港からホテルへ
12:00… 街中を観光
15:00… ホテルにチェックイン
客室で休憩または仮眠
18:00… 現地ツアーに参加
01:00… ツアー終了 - 2日目
9:00 … 起床
9:30 … ホテルで朝食
10:30 … 半日観光
18:00 … 現地ツアーに参加
01:00 … ツアー終了 - 3日目
9:00 … 起床
9:30 … ホテルで朝食
10:30 … 半日観光
18:00 … 現地ツアーに参加
または街中でオーロラ鑑賞 - 4日目
12:00 … チェックアウト
フライトの出発時間に合わせて空港へ
現地のオーロラ ハンティング ツアーは深夜1時前後に終了するものが多く、数日続くとなると体力勝負です。
ツアー参加前後の休息時間なども考慮して旅行日数を決めましょう。
【体験談】2泊3日でオーロラハンティングは成功するのか?
2024年10月下旬に週末を利用して、2泊3日でオーロラ鑑賞をしてきました。
先ほど、オーロラを見にトロムソへ旅行する場合は、最低3日間は滞在したいところだと言いましたが、今回は「オーロラを見に来た友人に会うこと」が主な目的。
オーロラは「二晩の滞在でついでに見られたらいいな」ぐらいの心持ちでした(友人は3泊4日のトロムソ滞在です)。
そして、私の居住地からトロムソへのフライト運航スケジュールにより、「トロムソに金曜日の午後着、日曜日の午前発」という旅程。
2泊3日ではあるものの、実質の滞在は丸2日もない弾丸旅行でした。
そんな短い滞在でオーロラは見られたでしょうか。
結果から言うと、運よく2日続けてオーロラを見ることができました!
1日目
- 15:00トロムソ空港に到着
- 15:40ホテルにチェックイン
- 18:10オーロラ ハンティング ツアーに参加
- 03:00ツアー終了、ホテルに戻る
1日目はトロムソ空港に15時に着陸して、3時間後の18時からオーロラハンティングのツアーに参加するというタイトなスケジュール。
この日のトロムソは雨風が激しい大荒れの天気で、フライトが定刻通り出発するか、欠航にならないかドキドキしていました。
心配をよそにフライトは定時に着陸。入国審査を受けて預け荷物を引き取り、タクシーでホテルへ。
フライトが着陸してからホテルに到着するまではスムーズに進み、15時半過ぎにはホテルにチェックインできました。
今回のトロムソ滞在は「クオリティ ホテル サガ (Quality Hotel Saga)」に宿泊。
お部屋からの眺めがよく、街の中心にある大聖堂が見えます。
ホテルで少し休憩し、18時に現地ツアーの集合場所に向かいます。
1日目は少人数グループのオーロラ ハンティング ツアーに参加しました。
集合場所でツアーガイドを待っている間、天気はザーザー降りの雨に強風が吹き荒れるというオーロラ鑑賞には最悪な天気。
正直に言うと、この時点ではオーロラが見られると期待していませんでした。
一方でツアーガイドは悪天候の中でもオーロラが見られるように全力を尽くしてくれ、オーロラ鑑賞に見事成功!
約2時間のドライブ後、なんとか雲の切れ間に晴れた空を見つけることができました。
このとき見えたのは、肉眼でかろじて見えるくらいのうっすらとしたオーロラ。
もう少し強いオーロラが出ることを期待して待機していましたが、強風で雲の動きが速く、すぐに空は曇ってしまいました。
さらに晴れ間を求めて、今度は国境を越えてフィンランドへ向かいます。
諦めずにねばること深夜12時過ぎ。
ついに雲の上からでもはっきりと見えるダイナミックなオーロラが出現!
ときおり雨がぱらつく中、40分ほどオーロラを見ることができました。
本来、このツアーの所要時間は約7時間の予定でした。
ところがオーロラ鑑賞に適した空を見つけるのに苦戦し、約9時間にわたる長丁場に。
晴れ間を求めてノルウェーとフィンランドの間を行ったり来たりし、まさに”ハンティング”という名がふさわしい日になりました。
私は普段から自宅周辺で気軽にオーロラを楽しんでいますが、ミニバスで本格的にオーロラを追い求めるツアーに参加するのは今回が初めて。
かなりの悪天候でも、諦めなければオーロラが見られる可能性が十分あるということがわかり、とてもいい体験になりました。
2日目
- 10:00起床
- 10:30ホテルで朝食
- 14:30遅めの昼食
- 18:00ツアーに参加
- 22:30ツアー終了、ホテルに戻る
1日目のツアー終了が深夜3時と遅かったので、2日目の午前中はのんびり。
午前10時半ごろ、ホテルで朝食をとりました。
トロムソでは、週末の土曜日と日曜日は午前11時まで朝食ビュッフェを提供しているホテルが多く、オーロラツアー翌日の朝は少しゆっくりできます。
朝食の後にトロムソの街中を散策し、昼食はホテルの斜め向かいにあるカフェでいただきました。
こちらのRisøカフェはトロムソで人気なカフェ。
特に北欧名物のシナモンロールがおいしいと評判です。
2日目の夜もオーロラを見るために現地ツアーに参加しました。
この日はハンティングツアーではなく、先住民族のサーミ文化やトナカイのエサやりが体験できるツアーです。
キャンプサイト周辺は人工の光がほとんどなく、晴れていればオーロラがよく見られるとのこと。
18:00にトロムソ街中のホテルに集合し、大型バスに乗り込みました。
このときの天気は前日のように雨は降っていませんでしたが、厚い雲に覆われていて天気はいまひとつでした。
約50分のドライブでキャンプサイトに到着。
バスから降りると星がところどころに見えるほど晴れており、オーロラも見えるかもと期待が高まります。
キャンプサイト到着後は、トナカイとのふれあいやエサやりを最初に体験しました。
この時点でオーロラがうっすら出現。
約30分にわたり弱いオーロラが出たり消えたりを繰り返していました。
その後、伝統的なサーミ料理をいただき、食べ終わったころにガイドから強いオーロラが出ていると教えられて急いで外へ。
先ほどよりもかなり強いオーロラがキャンプサイト上空で揺らめいていました。
通常はカメラ越しにしか見えない赤色のオーロラも肉眼ではっきりと見えるほど。
このツアーはオーロラ鑑賞がメインのツアーではありませんでしたが、ツアー中は2時間ほどオーロラを見る時間があり、十分オーロラ鑑賞が楽しめました。
最後に小屋で温まりながら、サーミ人から生活や文化についての話を聞いてツアー終了。
再びバスに乗ってトロムソ市街地に戻り、22:30ごろ解散となりました。
短い滞在日数でオーロラを見るには?
今回、2泊3日という短い滞在でもオーロラを見ることに成功しました。
限られた時間でオーロラを見るためのポイントをいくつか紹介します。
夜が長い時期を選ぶ
1つ目のポイントは、暗い時間が長い時期を選ぶこと。
オーロラを見るためには、星が見えるくらい暗い夜空が必要です。
せっかくオーロラが上空に現れていても、空が明るければ見ることはできません。
トロムソでは9月中旬から4月上旬までオーロラを見ることができますが、9月や4月は日が長くて暗くなるのは遅め。
実際に3月中旬にトロムソでオーロラ鑑賞をしたことがありますが、20時ごろでも水平線付近はまだ薄明るく、暗くなるのが遅いと感じました。
21時半から22時ごろにようやくオーロラ鑑賞に適した暗さになりました。
一方、トロムソでは11月下旬から1月中旬まで太陽の昇らない極夜となり、日中は薄明るくなるものの暗くなる時間は長くなります。
暗い時間が長ければ長いほどオーロラが現れる時間帯が増えるので、オーロラが見られる可能性も高くなります。
天候が安定している時期を選ぶ
2つ目のポイントは、天候が安定している時期を選ぶこと。
ノルウェー北部の沿岸地域は雲が集まりやすく、特に冬の間は天候が崩れやすいです。
トロムソでは本曇りや雨が数日間続くこともよくあり、オーロラを見るには晴れた空を見つけることが何よりも重要となります。
では、何月がオーロラ鑑賞に最適でしょうか?
一般的にトロムソの月ごとの天気は以下のような特徴があるといわれています。
- 9月 … 比較的晴れの日が多い
- 10月 … 一年で一番雨が降る
- 12月 … 曇りの日が多く、風が強い
- 1月 … 曇りの日が多く、風が強い
- 3月 … 冬が明け、徐々に晴れの日が増える
しかし、ひとつ注意したいのは、ノルウェー北部の多くの地域と同様に、トロムソの天気は非常に変わりやすいということ。
近年は温暖化による異常気象も増えており、平年の天候や天気予報から大きく外れることがあります。
統計的に特定の月に曇りや雨の日が少ないことが示されていても、滞在中に晴れるとは限りません。
そこで、さらにオーロラ鑑賞を成功させるために重要となるのが次の3つ目のポイントです。
現地ツアーに参加する
3つ目は、現地のツアーに参加すること。
運がよければトロムソ市内からオーロラを見ることができますが、運が悪ければ数日にわたって曇り空が続き、オーロラがまったく見えないということもめずらしくありません。
そんなときはトロムソ市内から出て、晴れ間を探す必要があります。
レンタカーを借りて自力でオーロラを探すことも可能ですが、雪道に慣れていない場合は避けたほうが無難です。
トロムソ周辺の郊外では街灯がなくて真っ暗、さらに路面は凍ってつるつるで運転は容易ではありません。
片側一車線の道路は雪が積もって道路幅は狭まっており、オーロラを見るために停車する場所を見つけるのも一苦労。
そこで、レンタカーを借りる代わりに旅行者に人気なのが現地ツアーです。
オーロラ鑑賞地として有名なトロムソでは100件以上のオーロラツアーがあり、毎晩さまざまなタイプのオーロラツアーが催行されています。
オーロラツアーの種類は大きくわけて4つ。
- ミニバスで一晩中オーロラを追いかけて移動するツアー
- あらかじめ鑑賞場所が決められているツアー
- 海上で鑑賞するクルーズツアー
- 犬ぞりや先住民族サーミ文化などと合わさった体験型ツアー
一番のおすすめは、少人数グループのミニバスでオーロラを追いかけるハンティングツアーです。
このタイプのツアーを予約するとノルウェー北部の沿岸地域からフィンランド国境付近まで、かなり広範囲にわたってトロムソ周辺の地域をカバーします。
同じトロムソ周辺でも沿岸地域と内陸地域では天気が大きく異なる場合があり、ある場所では曇っていても、別の場所では晴れていることもめずらしくありません。
現地の天気に精通したツアーガイドは、天気予報などのデータを駆使しながら晴れる可能性が最も高いスポットに連れて行ってくれるので、オーロラが見られる確率も上がります。
複数のツアーを予約する
4つ目は、予算に余裕があるなら複数のツアーを予約すること。
オーロラの色や形は毎晩、その瞬間ごとに変化し、同じオーロラは二度と見られません。
運がよければ最初のツアーで上空に舞うダイナミックなオーロラが出るかもしれませんが、地平線上に雲のような薄いオーロラがかすかに見えるだけかもしれません。
実際に私も1日目のツアーでは雲の隙間から一瞬だけオーロラが見られ、2日目のツアーでは晴天の中で数時間にわたりゆらゆらと動くオーロラを見ることができました。
個人的には、オーロラを見るチャンスを増やすために、少なくとも2つのツアーを予約するのがベストだと思います。
多くの夜をオーロラ鑑賞に費やせば費やすほど、すばらしいオーロラを目にする可能性が高くなります。
2泊3日のオーロラ旅行でかかった費用
今回の2泊3日トロムソ旅行でかかった費用やおおよその目安を紹介したいと思います。
実際にかかった費用は、NOK 7,761 = 約108,700円でした。
費用の内訳は以下の通りです。
- 航空券代 … NOK 1,189
(約16,600円) - ホテル代 … NOK 2,560
(約3,5800円) - 食費 … NOK 181
(約2,530円) - 現地交通費 … NOK 545
(約7,600円) - 現地ツアー代 … NOK 3,286
(約46,000円)
それでは、各項目の費用についてくわしく解説します。
航空券
今回、往路はマイルを利用したので、復路の片道だけ購入しました。
ノルウェーの首都オスロからトロムソまでは飛行機で行くのが一般的です。
スカンジナビア航空とノルウェー エアシャトルが毎日直行便を運航しています。
オスロ-トロムソ間の片道航空券の最安値は、NOK 700(約9,800円)~。
片道NOK 1,000(約14,000円)前後が相場です。
ホテル代
ホテルはトロムソ中心部にあるシティホテル、「クオリティ ホテル サガ」に宿泊しました。
2泊(1室1人分)朝食付きで、NOK 2,560(約3,5800円)。
少し早めに半年前の春頃に予約しておきました。
というのも、コロナ禍明けからトロムソのオーロラ人気がすさまじく、ホテルの宿泊料がものすごい勢いで高騰しているから。
オーロラシーズンの直前またはシーズンが始まってから予約を取ると、1泊2~3倍に値上がりします。
宿泊費を抑えたい場合は、半年以上前から早めの予約がおすすめです!
食費
ホテルに朝食、オーロラのツアーに夕食が含まれていたこともあり、食費としてかかったのは2日目の昼食代のみ。
カフェでカプチーノ1杯とハムチーズのトーストをいただき、NOK 181(約2,530円)でした。
物価の高い国として知られているノルウェーでは、特に外食費は日本と比べると高く感じます。
カフェでサンドイッチなどの軽食を食べるだけで、それなりの値段がかかるので、ホテルは朝食付きのプランがおすすめです。
レストランでディナーをしたい方や、食事と一緒にお酒もたのしみたい方は少し予算を多めに準備しておくと安心です。
現地交通費
トロムソでかかった交通費は、空港から市内への往復タクシー代。
空港から市内ホテルへの料金がNOK 230(約3,200円)、市内ホテルから空港へはNOK 315(約4,400円)でした。
往路は平日の昼間、復路は日曜日に乗車したので、復路は週末の割増料金で高くなっています。
トロムソの主な交通手段は、タクシーかバス。
タクシーは走行距離に対して料金が高いため、一般的にバスを利用する人が多いです。
空港から市内へは、タクシー以外にリムジンバスと路線バスでアクセスできます。
リムジンバスの料金は大人1人片道乗車券がNOK 50(約700円)、往復乗車券がNOK 75(約1,050円)。
路線バスの運賃は、1回乗車券がNOK 44(約620円)。
大きなスーツケースがある場合や往復でバスを利用する場合は、空港リムジンバスが便利です。
現地オーロラツアー代
今回の旅行で一番の出費となったのがオーロラツアー代。
1日目のハンティング ツアーがNOK 1,791(約25,000円)、2日目のトナカイのエサやり&オーロラ鑑賞ツアーがNOK 1,495(約21,000円)でした。
同じオーロラ鑑賞のツアーでも、ツアーの内容によって料金は大きく異なります。
トロムソで一番人気なタイプのオーロラツアー、ミニバスでオーロラを追いかける少人数のグループツアーはNOK2,000(約28,000円)前後が相場です。
どのようなオーロラ鑑賞ツアーを希望するのかをあらかじめ決め、予算を準備しておきましょう。
まとめ
トロムソでオーロラを見たい場合は、3泊以上するのがおすすめ。
冬の北ノルウェーは天気が崩れやすく、1泊や2泊の滞在でオーロラを見るのはなかなか難しいです。
しかし、今回は2泊3日の旅行で2日続けてオーロラ鑑賞に成功しました。
オーロラを見るために滞在日数は長いに越したことはありませんが、短い滞在でもオーロラが見られる可能性は十分あります。
オーロラの時期にトロムソへ旅行する際は、ぜひオーロラ鑑賞にチャレンジしてみてくださいね。