冬のトロムソでは、オーロラ観賞に加えて、野生のザトウクジラやシャチを探すホエールウォッチングも楽しめます。
私も11月上旬、シェルヴォイ(Skjervøy)発のRIBボートツアーに参加し、海上で何頭ものザトウクジラと、シャチの群れに出会いました。
この記事では、当日の流れや参加して分かったことを中心に、ベストシーズン、ツアーの選び方、服装・持ち物を紹介します。
【体験レポ】シェルヴォイ発RIBホエールウォッチング|当日の流れ

私が参加したのは、シェルヴォイを拠点とする「Explore 70 Degrees」のRIBボートツアーです。
トロムソからの送迎は含まれていないため、レンタカーでシェルヴォイへ移動しました。
ツアーの詳細はこちら▼
シェルヴォイ発|RIBボートで行くクジラ・シャチ観察ツアー
📅 参加したツアーの基本情報
- 参加時期:11月上旬
- 出発地:シェルヴォイ(現地集合)
- 船・参加人数:RIBボート / 1隻最大12名
- 所要時間:約3時間
- 参加条件:6歳以上・身長120cm以上
- 含まれる装備:防寒スーツ、ライフジャケット、ミトン、ゴーグル
※所要時間や参加条件、ツアー内容は変更される場合があります。予約時に最新情報をご確認ください。
集合・出発準備|オフィスで説明を受けて港へ
アクティビティは9時30分開始で、集合はその15分前。
私は9時10分ごろに「Explore 70 Degrees」のオフィスへ到着しました。
到着した時点では、ほかの参加者はまだ1組だけ。しばらく、オフィス内で全員がそろうのを待ちます。
その後、参加者が次々と到着し、最終的には20人ほどが集まりました。
家族連れやカップル、友人同士のほか、一人で参加している人も多く、参加者の顔ぶれはさまざまでした。
全員がそろうと、スクリーンを見ながら約15分間の事前説明が始まりました。
ツアーの流れや安全上の注意に加え、見られる可能性のあるクジラの種類や生態についても、簡単な案内がありました。
説明後は、オフィス内で防寒スーツに着替えます。
全員の準備が整ったところで、5分ほど歩いて港へ向かいました。
出航|RIBボートでクジラを探す海域へ
港に着くと、参加者は2隻のRIBボートに分かれて乗船。
クジラやシャチを探す海域へ向けて出航します。
港を出てから最初の30〜40分ほどは、クジラが見られやすい海域までの移動が中心です。
ボートはスピードを上げて海上を進んでいきます。
この日は快晴で、海も穏やか。
最高気温は0℃ほどで、走行中は冷たい風を直接受けるため、かなり寒く感じました。

目的の海域に着くと、今度は速度を落とします。
ガイドは操船も担当しており、周囲の水面に目を配りながらクジラやシャチを探していました。
しばらくゆっくり進みましたが、クジラの姿は見当たりません。
そこで、より海岸に近いフィヨルドの奥へ移動することに。
しばらくすると、少し離れた水面に、この日初めてクジラの背びれが見えました。
ガイドはボートの速度を抑えたまま、クジラのいる方向へゆっくりと近づいていきます。
ザトウクジラとシャチに遭遇
最初の1頭を見つけたあとも、周辺では何頭ものザトウクジラが姿を見せます。
水面に浮上して潮を吹く「ブロー」や、潜る前に尾びれを高く上げる「フルークアップ」も見られ、比較的近い距離からクジラの動きを追うことができました。

一度水中に潜ると、次にどこから現れるかは分かりません。
水面を見渡していると、突然、ボートのすぐ横に大きな体が浮上しました。
予想していなかった近さで見るザトウクジラは、かなりの迫力です。
ザトウクジラだけでなく、シャチの群れにも遭遇しました。

ボートに興味を持ったのか、もう1隻のボートのすぐ横まで近づき、しばらくゆっくりと泳ぎます。
水面にはいくつもの背びれが並び、群れがときおりジャンプしながら同じ方向へ進む様子も見られました。

野生動物なので、何に出会えるかはその日次第。
ザトウクジラとシャチの両方を見られたこの日は、とても運がよかったと思います。
帰港|この日は予定より約1時間延長
12時半前までクジラの観察を続けたあと、シェルヴォイの港へ戻りました。
帰りも30〜40分ほど。ボートは再びスピードを上げ、港へ向かいます。
ツアーは約3時間の予定でしたが、この日はクジラがよく姿を見せたこともあり、観察時間を延ばしてくれました。
結果的にツアーは予定より約1時間長くなり、解散したのは13時半前でした。
参加して感じたこと|よかった点・注意点

実際に参加して感じたよかった点と、予約前に知っておきたい注意点をまとめます。
よかったこと
- 観察海域に近いシェルヴォイから出航できた
- 海面に近い位置からクジラやシャチを観察できた
- 動物福祉を重視した観察方針だった
- 参加した回では、予定より長く観察時間を取ってくれた
シェルヴォイは、近年の主な観察海域に近い町です。
この日は、港を出て30〜40分ほどでクジラ探しが始まりました。
トロムソからシェルヴォイまでの移動は別に必要ですが、船に長時間乗り続けずに済むのは現地発ツアーのメリットです。
RIBボートは船体が低く、海面に近い位置からクジラやシャチを観察できます。
ザトウクジラがすぐ横に浮上したときは、その大きさと迫力を間近に感じられました。
一方、クジラとの距離の取り方にも配慮が感じられました。
Explore 70 Degreesは、動物福祉を最優先にする方針を公式サイトで掲げています。
実際、クジラを見つけるとボートの速度を落とし、動きを見ながらゆっくり近づいていました。
参加前に知っておきたいこと
- トロムソからの送迎はなく、シェルヴォイ現地集合
- 走行中は冷たい風を直接受けるため、かなり寒い
- 見られるクジラの種類や頭数はその日次第
- 当日の状況によって、予定より遅く終わることがある
- 港へ向かう前に、オフィスでトイレを済ませておく
このツアーはシェルヴォイ現地集合で、トロムソからの送迎は含まれていません。
バスやレンタカーなどの移動手段を別に手配し、集合時刻に間に合うよう余裕を持って向かう必要があります。
また、予約ページでは所要時間が約3時間と案内されていますが、この日は約4時間かかりました。
終了後に移動やほかのツアーを予定する場合は、時間に余裕を持たせておくと安心です。
なお、RIBボートにはトイレがありませんが、集合場所のオフィス内にはあり、説明が始まる前に利用できました。
トロムソのホエールウォッチング|時期と主な観察エリア

トロムソでホエールウォッチングを計画するときは、参加する時期とツアーが向かう海域を確認しておきましょう。
ベストシーズンはいつ?極夜でも参加できる?
- 主なシーズン:10月下旬〜1月下旬
- 極夜中の観察時間:昼前後の薄明るい時間帯
ツアーによっては10月上旬から運行が始まります。
シーズンの初めや終わりに旅行する場合は、最新の開催日程を確認しておきましょう。
シーズン後半は極夜と重なりますが、太陽が昇らなくても一日中真っ暗になるわけではありません。
昼前後には数時間の薄明かりがあり、ツアーもその時間帯に合わせて行われます。
近年はシェルヴォイ周辺が主な観察エリア
冬のクジラは、エサとなるニシンを追って北ノルウェー沿岸を移動します。
そのため、クジラを探す海域は毎年同じとは限りません。
以前はトロムソ周辺のフィヨルドが中心でしたが、ニシンの越冬場所が北へ移るにつれ、2017年ごろからはシェルヴォイ周辺が主要な観察エリアのひとつになっています。
シェルヴォイは、ノルウェー北部の島にある小さな漁業の町です。
冬は、ホエールウォッチングやオーロラ観賞を目的に旅行者が訪れます。
私が参加したツアー会社の案内では、ザトウクジラやシャチのほか、運がよければナガスクジラやマッコウクジラに出会えることもあるそうです。
ナガスクジラは、シロナガスクジラに次いで世界で2番目に大きいクジラです。
現在は、「トロムソ発」のツアーでも、シェルヴォイ周辺まで向かうプランが多くなっています。
予約時は出発地だけでなく、観察海域までの移動方法や所要時間も確認しておきましょう。
どのツアーを選ぶ?3つの参加方法を比較

トロムソ周辺のホエールウォッチングは、出発地と観察海域までの移動手段によって、大きく3つに分けられます。
ツアーを選ぶときは、船の種類だけでなく、移動にかかる時間や、トロムソからの送迎の有無も確認しておきましょう。
| 参加方法 | 移動・所要時間の目安 | こんな人に◎ |
|---|---|---|
| トロムソ港発(日帰り) | 船で往復 (所要時間:約8〜9時間) | 移動を別に手配せず、船内の快適さも重視したい人 |
| トロムソ発・バス送迎付き | バスでシェルヴォイへ移動+ボートツアー (所要時間:約12時間) | 冬道を運転せず、RIBや暖房付き少人数ボートに乗りたい人 |
| シェルヴォイ現地発 | 現地までの移動時間+ボートツアー約3〜4時間 | シェルヴォイに宿泊する人、旅程を自分で組みたい人 |
※所要時間は目安です。ツアーや当日の状況によって異なるため、予約時に最新情報をご確認ください。
① トロムソ港発|船で観察海域へ向かう
トロムソ中心部の港から直接出航し、船で観察海域を往復するタイプです。
- 主な船:高速カタマラン、ハイブリッド船など
- 船内設備:暖房付きラウンジ、トイレなど(船による)
- 所要時間:日帰りで約8〜9時間
シェルヴォイまでの交通を別に手配する必要がなく、トロムソ中心部に滞在しながら参加しやすいのがメリットです。
一方、往復とも船で移動するため、海上で過ごす時間は長め。
船酔いが心配な人は、あらかじめ酔い止めを用意しておくと安心です。
≫≫ トロムソ港発|ハイブリッド船のホエールウォッチングツアーを見る
🔹 オーロラも楽しめる24時間クルーズ
トロムソ港発には、オーロラ観賞とホエールウォッチングを組み合わせた宿泊型クルーズもあります。
- 所要時間:24時間
- 客室:専用バスルーム付きの個室
- 食事:夕食・朝食・昼食付き
- 過ごし方:夜はオーロラ観賞、翌朝はホエールウォッチング
- オーロラ通知:出現した場合はスタッフが知らせてくれる
日帰りツアーとは過ごし方も料金も異なりますが、2つのアクティビティと船内泊をまとめて楽しみたい人向けのプランです。
② トロムソ発|バスでシェルヴォイへ向かう
トロムソ港から船で往復するツアーとは異なり、長距離の移動にはバスを利用します。
シェルヴォイに到着してからボートに乗り換え、クジラやシャチを探すプランです。
1日の流れ:
早朝にトロムソを出発 → バスで約4時間 → 約3〜3.5時間のホエールウォッチング
→ バスで約4時間 → 夕方にトロムソへ
早朝から一日がかりになりますが、自分でバスやレンタカーを手配する必要はありません。
冬道を自分で運転せずに、観察海域に近いシェルヴォイ発のツアーに参加できます。
現地で乗る船はツアーによって異なり、RIBを利用するプランと、暖房付きボートを利用するプランがあります。
🔹RIBボート
RIBは船体が低く、海面に近い位置からクジラやシャチを観察できるのが特徴です。
防寒スーツなどは用意されていますが、屋根のないボートで冷たい風を直接受けるため、自分でも暖かい服装を準備しておきましょう。
≫≫ トロムソ発|シェルヴォイRIBホエールウォッチングを見る
🔹暖房付きボート
RIBの寒さが心配な人には、屋根と暖房を備えたボートを利用するツアーもあります。
最大12名の少人数制。暖かい船室と屋外デッキを行き来でき、船内では温かい飲み物や軽食も提供されます。
送迎バスにはWi-Fiや充電設備、トイレもあります。RIBの寒さは避けたいけれど、少人数で観察したい人におすすめです。
③ シェルヴォイ現地発|自分で移動して参加する
トロムソからシェルヴォイまでの移動と、現地発のホエールウォッチングツアーを別々に手配する方法です。
- 集合場所:シェルヴォイ
- ツアー時間:約3〜4時間
- 船の種類:RIBボート、暖房付きボートなど
- 現地までの移動:自分で手配
トロムソ港発のクルーズに比べると、ホエールウォッチング用の船に乗る時間を短くできます。
ただし、トロムソから日帰りする場合は、往復の移動を含めると一日がかりです。
シェルヴォイに宿泊する人や、移動とツアーを自由に組み合わせたい人に向いています。
≫≫ シェルヴォイ現地発|私が参加したRIBボートツアーを見る
シェルヴォイへの行き方|アクセス方法まとめ
トロムソからシェルヴォイへは、観光バス、路線バス、高速船、レンタカーなどで移動できます。
ただし、朝に始まる現地ツアーへ、どの交通手段でも当日移動で間に合うわけではありません。
行きの到着時刻だけでなく、ツアー終了後の帰りの便まで確認しておきましょう。
観光バス・路線バス・高速船は、トロムソ中心部の「Prostneset(プロストネーセ)ターミナル」から利用できます。
- 季節運行の観光バス(The Whale Route)
ホエールウォッチングシーズンに合わせて、トロムソとシェルヴォイを結ぶ予約制のバスです。
トロムソから片道約4時間。バスの時刻に合う現地ツアーであれば、日帰りで参加できます。
→ The Whale Routeの運行日・時刻を見る
- 路線バス
曜日や時間帯によって乗り換えが必要です。時間に余裕があり、前泊を含めて公共交通で移動したい人向けです。
最新の経路と時刻は、公共交通アプリ「Svipper」で確認できます。
→ Svipperで経路・時刻を調べる
- 高速船
トロムソとシェルヴォイを結ぶ「ルート3」が運航しています。
所要時間は片道2時間ほどですが、運航日や出発時刻が限られるため、宿泊と組み合わせるほうが計画しやすいでしょう。
→ Svipperで経路・時刻を調べる
- レンタカー
ルートやフェリーの接続によって異なりますが、片道3時間半〜4時間ほど。
時間を自由に決められる一方、冬は雪や路面凍結への注意が必要です。
※交通機関の運行日や時刻は変更されます。予約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。
私はレンタカーでシェルヴォイまで移動しました。
朝のツアーに間に合うよう早い時間に出発しましたが、冬の道路には雪や凍結があり、慣れていない人には負担が大きいと思います。
冬道の運転に不安がある場合は、トロムソ発の送迎付きツアーを選ぶか、前日にシェルヴォイへ移動して宿泊しておくほうが安心です。
ホエールウォッチングの服装・持ち物

RIBボートツアーの多くでは、防寒スーツやブーツなどを借りられます。
とはいえ、貸出内容はツアーごとにさまざま。防寒スーツの下に着る服は、自分で用意しておきましょう。
ここからは、11月上旬に参加したときの服装と、実際に役立った持ち物を紹介します。
ツアーで借りられた防寒装備
私が参加した回では、次の装備を借りられました。
- 防寒スーツ
- ライフジャケット
- 厚手のミトン
- ゴーグル
- 長靴
長靴はサイズや数に限りがあるため、自分の冬靴でも参加できるように準備しておくと安心です。
また、防寒装備を借りられても、スピードの出るRIBボートでは冷たい風を受けます。
防寒スーツの下にも、暖かいインナーやセーターなどを重ねておきましょう。
※貸出装備はツアー会社によって異なり、内容が変更される場合もあります。予約時に最新情報をご確認ください。
11月上旬に参加したときの服装
当日の最高気温は0℃ほど。防寒スーツの下には、次の服を着ました。
- 極暖ヒートテック上下
- ハイネックセーター
- 厚手のトレッキングパンツ
- 厚手のウールソックス
- ニット帽
- ネックウォーマー
ガイドからは、自前のアウターを着たまま、その上から防寒スーツを重ねるよう案内がありました。
しかし、私のアウターはロング丈で、防寒スーツの中にうまく収まりません。
結局、アウターを脱ぎ、セーターの上から防寒スーツを着用しました。
防寒スーツの下にもアウターを重ねたい場合は、丈が短く、かさばりすぎないものを選ぶと着やすいと思います。
持っていってよかったもの
- 防水バッグ
- 酔い止め
- ポケットティッシュ
- タオル
RIBボートでは、走行中に水しぶきがかかることもあります。
スマートフォンやカメラは、使わないときに防水バッグへ入れておくと安心です。
濡れた手や持ち物をさっと拭ける、小さめのタオルも重宝しました。
この日は海が穏やかでしたが、ボートはそれなりに揺れます。
船酔いが心配な場合は、あらかじめ酔い止めを用意しておきましょう。
また、冷たい風を受け続けると鼻水が出やすくなります。ポケットティッシュも意外とよく使いました。
💬 薄手の手袋を持っていけばよかった
貸し出されたミトンは暖かいものの、厚みがあるため、着けたままではカメラやスマートフォンを操作しにくいのが難点です。

クジラが姿を見せるたびにミトンを外して撮影していると、冷たい風で手がすぐにかじかみ、指先が痛くなるほどでした。
ミトンの下にスマートフォン対応の薄手の手袋を重ねておけば、撮影のたびに素手にならずに済みます。
オーロラ観賞も予定している方は、夜間の待ち時間を想定した防寒も準備しておきましょう。
気温別の重ね着や、手袋・ブーツの選び方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
まとめ|旅程に合うホエールウォッチングツアーを選ぼう
トロムソ周辺のホエールウォッチングには、主に3つの参加方法があります。
- トロムソ港から、乗り換えなしで船に乗りたい人
→ トロムソ港発のツアー - 冬道を運転せず、RIBや暖房付き少人数ボートに乗りたい人
→ トロムソ発・バス送迎付きのツアー - シェルヴォイに宿泊する人、自分で旅程を組みたい人
→ シェルヴォイ現地発のツアー
ツアーを選ぶときは、出発地や船の種類だけでなく、観察海域までの移動方法、往復を含めた全体の所要時間、貸出装備も確認しておきましょう。
冬のフィヨルドで野生のクジラやシャチを探す時間は、オーロラ観賞とはまた違うトロムソ旅行の思い出になるはずです。
📝 次に読むなら
ホエールウォッチング以外の海上ツアーも検討している方は、フィヨルドクルーズの体験記も参考にしてみてください。


