「世界の果て」──そんな言葉がぴったりのスヴァールバル諸島。
北極圏に位置するこの群島は、手つかずの自然と幻想的な景色が魅力の旅先です。
一見アクセスが難しそうに思えますが、実は日本からでも個人旅行で気軽に行くことができるんです。
この記事では、スヴァールバル諸島の玄関口・ロングイェールビーンへの行き方と、現地での移動手段について詳しくご紹介します。
航空券の探し方

スヴァールバル諸島への旅は、時間こそかかるものの、アクセス方法は意外とシンプルです。
日本や滞在中のヨーロッパの国から向かう場合は、まずノルウェーの首都オスロまで。
そして次に、オスロからスヴァールバル諸島へという2ステップになります。
この2区間の航空券は、基本的に別々に予約する必要があります。
スヴァールバル諸島で利用されている空港はひとつだけ。
名前は Svalbard Airport ですが、航空券検索の際は ロングイェールビーン(空港コード:LYR) で探しましょう。
ロングイェールビーン行きの便を運航しているのは、以下の2社です:
- スカンジナビア航空(Scandinavian Airlines)
- ノルウェー・エアシャトル(Norwegian Air Shuttle)
いずれも、オスロからの直行便または、北ノルウェーのトロムソ経由便を運航しています。
※時期によって便のスケジュールは変わるので、予約時には要チェック!
所要時間の目安:
- オスロ → ロングイェールビーン(直行便):約3時間
- トロムソ経由便:約4時間
スカンジナビア航空はスターアライアンス加盟の航空会社、ノルウェー・エアシャトルはLCC(格安航空会社)ですが、価格、飛行時間、サービスにおいて大きな違いはありません。
あえて言うなら、
ノルウェー・エアシャトル
・機内Wi-Fiが15分間無料
・機内持ち込み手荷物は10kgまでOK(スカンジナビア航空は8kgまで)
スカンジナビア航空
・コーヒー、紅茶が無料
・各座席にUSB電源あり
・オンライン予約&セルフチェックイン時に日本語表示が選べる
・悪天候時の運航率が高い印象(←筆者の体感です)
といったところでしょうか。
なお、ノルウェー・エアシャトルは経由便でも「直行便」と表示されることがあるため注意が必要です。
フライト時間が4時間を超えている場合は、乗り継ぎがあるケースと見て間違いありません。

また、スカンジナビア航空では、トロムソでの乗り継ぎ時間が40分程度とかなり短めです。
同じ機体、同じ座席に再び乗り込みますが、トロムソで一度降りて出国手続きをし、搭乗ゲートへ向かいます。
時間が短くて心配に感じるかもしれませんが、航空会社側もそれを見越してスケジュールを組んでいるので安心してください。
よほど買い物に夢中になって時間を忘れる、なんてことがなければ、置いていかれる心配はまずありません。


オスロ空港からスヴァールバル諸島へ

ノルウェー首都オスロで前泊が基本
3月~8月のハイシーズンには午後出発の便もありますが、基本的にオスロからスヴァールバル諸島行きのフライトは午前発。
そのため、日本や他のヨーロッパ滞在国から向かう場合、オスロでの前泊が必要になることが多いです。
夕方にオスロへ到着して、翌朝ロングイェールビーン行きのフライトに乗るなら──
オスロ空港から徒歩5分のホテルに泊まるのがとっても便利です。
空港直結で移動ストレスもなし◎
✅ オスロ空港周辺のホテルをチェック
Expediaでみる|Agodaでみる|Booking.comでみる|Hotels.comでみる
オスロの秋〜冬は日が短く、観光施設やショップの営業時間も短め。
到着が夕方だと、1泊だけでは観光できる時間がかなり限られてしまいます。
一方、夏は日が長く、夜遅くまで明るいので、
「せっかくなら街の雰囲気も楽しみたい!」という方は市内泊もおすすめです。
オスロ空港は何分前に行けば安心?


航空会社ごとのチェックイン締切時間は以下のとおりです:
- スカンジナビア航空:出発の40分前
(SASプラス利用者は30分前) - ノルウェー・エアシャトル:出発の45分前
ノルウェーの空港は、自動化が進んでいてとってもスムーズ!
チェックインや手荷物の預け入れも、セルフサービスで簡単に済ませられます。
オスロ空港は国内最大級の規模ですが、私はいつも出発の1時間15分前を目安に空港へ行くようにしていて、特に問題は感じていません。
ただし、夏のバカンスシーズンなど旅行者が多い時期は、もう少し余裕をもって、出発の1時間半前くらいに着いておくのが安心です。
また、直行便を利用する場合は、オスロで出国審査が必要になります。
心配な方は、早めの到着を心がけると気持ちにも余裕が持てますよ。
トロムソ空港での乗り継ぎ【往路】

ちょっと注意したいのが「トロムソ経由便」の乗り継ぎルール。
ノルウェーはシェンゲン協定に加盟していますが、スヴァールバル諸島はシェンゲン圏外。
そのため、トロムソで“出国審査”が必要になります。
- オスロからロングイェールビーン行きのチケットは1枚(座席も同じ)
- トロムソに着いたら、いったん全員降機&出国手続き
- 飛行機内の手荷物もすべて持って移動します
ポイントはただひとつ!
トロムソ経由便では、荷物を持って一度飛行機を降りて出国審査を受けることを忘れない──これだけ覚えておけばOKです。
※スヴァールバル→オスロ(復路)の乗り継ぎはもう少し複雑なので、別項目でくわしく解説します。
ロングイェールビーン到着

飛行機を降りたら、空港までは短い距離を徒歩で移動します。
極寒の大地に降り立つ前に、防寒具と心の準備をお忘れなく!
スヴァールバル諸島では入国審査がないため、そのままスムーズに荷物受け取りエリアへ進めます。

スヴァールバル空港から街中へのアクセス

空港の外には、フライトの到着時間に合わせてシャトルバスが1台待機しています。
ハイシーズンには2台並ぶこともあるので、乗車前に運転手に宿泊先への停車確認をしておくと安心です。
バスはすべてのホテルやゲストハウス付近に停車し、所要時間は約10分。
乗車後、出発前に運転手がカード端末を持って各席をまわってくるので、その際に「片道」か「往復」かを伝えて支払います。
空港シャトルバス運賃
(2024年現在)
・大人 片道100 NOK / 往復170 NOK
・学生 片道70 NOK / 往復120 NOK
・子ども 片道40 NOK / 往復60 NOK
※往復チケットを購入した場合は、帰りのバスでレシートの提示が必要なので、なくさないように。
ちなみに、大人3人以上のグループであれば、タクシーの方が割安になる場合もあります。
スヴァールバル諸島からオスロ空港へ

街中からスヴァールバル空港へ
街中から空港行きのシャトルバスは、フライト出発の2時間前に最初の停留所を出発します。
シャトルバスの時刻表は、こちらのウェブサイトで確認しておきましょう。
事前予約は不要で、すべてのバス停に順番に停まってくれるので、滞在先ホテルのエントランス付近で待っていればOK。
運賃は、運転手によって乗車するときに支払う場合と最後の停留所で支払う場合があります。
往復チケットを購入済みの方は、レシートを見せるだけで乗れます。
タクシーを使う場合は、事前の電話予約が必須です。
特にハイシーズンは混雑しやすく、直前だとつかまらないことも。
なお、ロングイェールビーンでは街中に待機しているタクシーはなく、Uberなどの配車アプリも使えません。
スヴァールバル空港の様子


空港に到着したら、自動チェックイン機とセルフ手荷物預け機が利用できます。
スキー板などの大型荷物がある方は、有人カウンターで手続きを行いましょう。


空港はコンパクトで、出発・到着ロビーにはカフェや売店はありません。
保安検査を通過した後には、Coop(街中のスーパーと同系列)の売店があり、お土産や軽食を購入できます。
【空港内の設備情報】
- 無料Wi-Fi:4時間まで利用可能
- 待合スペース:広々としていて快適
- 充電スポット:数か所あり(スマホやノートPCに対応)


トロムソ空港での乗り継ぎ【復路】

復路のトロムソ乗り継ぎも、基本的な流れは往路と同じです。
ただし、「預け入れ荷物があるかどうか」で手続きが少し変わります。
行きと同様、飛行機を降りたら手荷物をすべて持ってパスポートコントロール(入国審査)へ。
そのあとの流れは以下の通りです。
ロングイェールビーン → オスロ・ノルウェー国内(トロムソ経由便)

入国審査を終えたら、まずは到着ロビーで荷物をピックアップします。
その後、1階の出発ロビーへ移動して、預け入れ荷物がある場合は再度チェックイン。
次に2階の保安検査場へ進み、手荷物検査を終えたら搭乗ゲートへ向かいましょう。
※預け入れ荷物がない方は、入国審査のあとそのまま保安検査場へ進んでOKです。
ロングイェールビーン → 国際線乗り継ぎ(例:日本へ帰国)
パスポートコントロールを通過したら、そのまま2階の出発ロビーへ。
保安検査を済ませて、搭乗ゲートへ進みましょう。
預けた荷物は、最終目的地まで自動的に運ばれるので、トロムソでの受け取りは必要ありません。
※ただし念のため、ロングイェールビーン空港で発行された荷物タグに「最終目的地」が正しく記載されているか確認しておくと安心です◎
まとめ
今回は、オスロからスヴァールバル諸島・ロングイェールビーンまでの行き方を詳しくご紹介しました。
スヴァールバル諸島はシェンゲン協定の適用外地域なので、トロムソでの乗り継ぎがやや複雑になることがあります。
実は私も、以前トロムソで乗り継ぎをしたときにうっかり荷物を受け取らずに出口へ行ってしまったことがありました…。
セルフサービスが進んでいるせいか、空港スタッフの姿も少なく、ちょっと焦った経験です。
みなさんはこの記事で紹介したポイントを参考に、安心&スムーズな北極の旅を楽しんでくださいね!