スヴァールバル諸島には約300頭のホッキョクグマが生息しているといわれています。
そのため、居住地から離れる際は護身用のライフル銃が必要です。
観光客の方が自由に観光できる範囲は限られており、現地ツアーに参加するのが一般的。
一年を通してさまざまなアクティビティ・ツアーが開催されています。
しかし、
- やっぱり自分のペースでゆっくり観光したい
- 現地ツアーに連日参加するのは予算が厳しい…
- ツアー合間時間の観光も充実させたい!
という方もいらっしゃるかと思います。
そこで、現地在住者が普段の散歩中に立ち寄る景色のいいスポットをご紹介します。
今回はライフル銃なしで気軽に行ける場所ばかりをリストしてみました。
この記事を読めば、自力でもスヴァールバル諸島の絶景に出会えるはずです。
現地ツアーとあわせて自力での観光も楽しみましょう!
※ご紹介するのは、あくまで現地在住の筆者が普段ライフル銃なしで行動している範囲です。読者の皆様の安全は保障いたしかねます。散策する際は自己責任でお願いします。
ホッキョクグマの標識
![ホッキョクグマ注意標識](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_169088274407.jpg)
スヴァールバル諸島らしいものとして、写真撮影スポットになっているホッキョクグマの標識。
居住地の四方を囲むようにして安全ゾーンの境目に数本設置されています。
その中で一番人気なのは、標識の先に北極圏の荒野が広がるAdventdalenにある標識です。
クルーズ船やバスツアーなどの立ち寄りスポットにもなっており、日によっては写真を撮る観光客で混雑しています。
町の中心からホッキョクグマの標識までは、徒歩で約20分です。
途中にはハスキー犬農場があり、夏の間はその周りで野鳥やヒナが見られます。
ちなみに、ホッキョクグマの標識がある道を反対方向に進むと、港周辺に同じ標識がもう一本あります。
そちらは観光案内所が定めた安全圏内です。
野鳥観察所
![野鳥観察所](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_1691071492167.jpg)
海岸沿いにある野鳥観察所、LoFFhuset。
短い夏の間には、さまざまな種類の渡り鳥が野鳥観察所の周辺にやってきます。
バードウォッチング以外にも、連なる山々やフィヨルドの景色が楽しめるスポットです。
ロングイェールビーンの町のシンボルとなっている山、Hiorthfjelletを正面から見ることができます。
この海岸沿いは会社の倉庫やスノーモービルなどの駐車スペースとして使用されていて、ごちゃごちゃしているエリア。
そのエリアの少し奥まったところに野鳥観察所があり、知らなければ素通りしてしまう穴場です。
街中にいてもスヴァールバル諸島の壮大な景色を独り占めできます。
観察所の周りには多くのベンチがあり、景色を眺めながらのんびり休憩することもできます。
特に夏の風がない日は、フィヨルドの水面に逆さの山並みが映ってきれいです。
海辺のBBQスポット
![海辺のBBQスポット](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_1690889324798.jpg)
最近、海辺に新しくできたBBQスポット。
座って休めるベンチや無料で使用できる野外のBBQ設備があります。
現地のスーパーでは使い捨てBBQコンロが購入できるので、旅行者の方も気軽にBBQが楽しめそうです。
こぢんまりとしたスペースで少し見つけにくいですが、Jason Roberts Productionsのクマの像とカラフルな小屋が目印。
クマの像を左手に川に沿って進むとBBQスポットがあります。
夏は山からの濁った泥水がフィヨルドへ流れ出るため、BBQスポット周辺の海の色はいまひとつ。
川が凍る春や冬の間は、真っ白な雪景色に青色のフィヨルドがよく映えます。
また、夏の海岸沿いはキョクアジサシという鳥の繁殖地で、BBQスポット周辺にも巣を作ります。
キョクアジサシは1年のうちに北極圏と南極圏の間を往復し、生き物の中で最も長い距離を移動する鳥です。
可愛らしい見た目とは裏腹に、けっこう攻撃的。
巣に近づくと頭をくちばしでつつかれ、怪我をする可能性があるので注意が必要です。
貯水タンク
![貯水タンク](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_1692095787668.jpg)
Sukkertoppen山の麓にある貯水タンクは、町周辺のフィヨルドや谷が一望できるスポット。
町の中心部から貯水タンクへは、Radisson Blu Polar Hotelの前の道Vei232をSukkertoppen山の方向へ進みます。
坂道を上り、アパートが立ち並ぶ住宅街を通り過ぎた先に貯水タンクがあります。
最後列の住宅から貯水タンクまでの道には街灯がありません。
極夜の時期などは真っ暗で少し心細くなりますが、一応安全ゾーン内です。
オーロラ鑑賞をする場合には暗闇はかえって有利で、貯水タンク周辺ではオーロラがよく見えます。
また、2月や10月のブルーアワーの時期はすべてが青色に染まって幻想的な景色が楽しめます。
Sukkertoppen山の中腹
![ロングイェールビーンの町とフィヨルド](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_169088330537.jpg)
貯水タンクからさらに先へ道なりを進むと、ロングイェールビーンの町とフィヨルドが一望できます。
晴天であれば、Isfjordenの向かい側にある山々や氷河まで見渡せる絶景スポットです。
下の写真の黄色いマークは貯水タンクがある場所。
そこから赤い線の端まで砂利道になっていて簡単に歩くことができます。
雪崩防護擁壁
歩行者道になっている雪崩の防護壁は、小高い場所からロングイェールビーンの町が見渡せるスポット。
町の中心部にあり、いつでも気軽に景色を眺めながらウォーキングができます。
SukkertoppenやGruvefjelletの山を登らずにロングイェールビーンの町並みを見たい方におすすめです。
遊歩道の端には、カラフルでかわいらしい三角屋根の家が並んでいます。
Funken Lodgeの裏山
![ロングイェールビーンの町](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_1690882942271.jpg)
Funken Lodgeの裏にある山、Gruvefjelletもロングイェールビーンの街が一望できます。
ライフル銃を携帯せずに行けるのは、山の中腹あたりまで。
Funken Lodgeの左側から裏へ回ると傾斜が緩やかで登りやすいです。
少し見つけにくいですが、山の麓には人の歩いた跡があり、小道のようになっています。
雪が積もっている時期や雨が降ったあとなどは滑りやすいので、ご注意ください。
Husetの坂道
![ロングイェールビーンの町、山の景色](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/20230815_124351.jpg)
小高い丘からロングイェールビーンの町が見渡せるスポット。
Husetの前の道をロングイェールビーンの町と反対方向に進んで、坂道を上ります。
坂道の途中にはホッキョクグマ注意の標識があります。
普段ライフル銃なしで行くのは、ベンチが置いてある辺りまで。
坂道の先にはGruvelageretレストランやLongyear氷河、川を挟んだ向かい側にはNybyenの集落があります。
高台にある日時計
![ロングイェールビーン日時計](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_1691664410704.jpg)
定番ウォーキングコースの途中にある日時計。
高台にあり、フィヨルドや町を眺めることができます。
町を流れる川を挟んで反対側にあるVei300の道路は、景色が良いことから現地在住者にも人気なウォーキング・ランニングコースです。
観光看板や教会などがあり、ロングイェールビーンの歴史などを知ることができます。
街中どこにでもいる野生のトナカイですが、特にこのエリアはトナカイを見かけることが多いです。
ケーブルカー炭鉱遺跡
![ケーブルカー炭鉱遺跡](https://hokkyokunavi.com/wp-content/uploads/2023/08/fotor_1690882503412.jpg)
炭鉱町として栄えた当時の面影が感じられるケーブルカーの遺跡。
現在はケーブルカーの中へ立ち入ることはできませんが、周辺からはフィヨルドや町が一望できます。
また、2月中旬~4月中旬、8月下旬~10月下旬はきれいな夕日や夕焼けが見られるスポットです。
天気がよければ、夕日と一緒にIsfjordenの向こう側にある山々や氷河まで見渡せます。
ケーブルカーの前を通るVei305の道は、目の前に海の景色が広がるウォーキングコース。
ケーブルカー周辺を出発点とし、空港の近くまでまっすぐな道が続いています。
ライフル銃を携帯せずに行けるのは、橋を渡って少し歩く程度までです。
まとめ
今回はロングイェールビーンの景色のいいスポット10選をご紹介しました。
スヴァールバル諸島を観光する際は、ホッキョクグマの危険から現地ツアーへの参加が一般的です。
ですが、安全ゾーン内の居住地周辺にも景色が楽しめるスポットがいくつかあります。
安全には十分に気を付けて、ぜひ自力での観光も充実させてくださいね!