一生に一度は見てみたい、そんな憧れの存在 “オーロラ”。
せっかく旅行で見に行くなら、「絶対に見逃したくない!」と思う方も多いはず。
実は、いまは便利なオーロラ予報サイトや鑑賞サポートのウェブサービスがたくさんあるんです。
こうしたサイトを事前にチェックしておくことで、オーロラと出会える確率がグッとアップします。
今回は、ノルウェー北極圏に暮らし、これまでに100回以上オーロラを目撃してきた筆者が、実際に使っているおすすめサイトを厳選してご紹介します!
オーロラ強度予報(SpaceWeatherLive.com)
宇宙天気に関する本格的な情報がまとめられたサイト、SpaceWeatherLive.com。
太陽活動に基づくオーロラの発生予測が見られるほか、オーロラの強さや出現エリアをリアルタイムで確認できます。


注目ポイントは「Aurora Forecast」の項目。
ここでは以下の4種類の予報が表示されています:
見るうえで知っておきたいのが「Kp指数」。
これは地磁気の活動レベル(=オーロラの強さ)を表す指数で、0〜9の10段階で示されます。
- Kp 0~2…Quiet (オーロラは弱い = 見られる可能性が低い)
- Kp 3…Unsettled (まあまあ)
- Kp 4…Active (強め)
- Kp 5~9…Minor – Strong storm (強い = 見られる可能性が高い)
「Aurora activity」の「Kp-index」では現在のKp値を、「Auroral oval」では約60分後のオーロラ出現エリアを確認できます。


ここ数年の予報の中で、私が実際に見た中では Kp値7 が最も高い数値でした。
鑑賞予定日にこのような高い予報が出ていると、やっぱりうれしくなりますよね。でも、Kp値が低いからといって落ち込まなくても大丈夫。
というのも、オーロラを見られるかどうかは、自分が地球上のどこにいるかによって必要なKp値が異なるからです。
こちらのページでは、場所ごとのKp値の目安も確認できるので、ぜひ参考にしてみてください。
たとえば、私が暮らしているノルウェーのスヴァールバル諸島では、Kp値が「2」あれば、肉眼でもオーロラが見られる可能性がかなり高いです。
ただし、スヴァールバル諸島はオーロラベルトよりも北に位置しているため、Kp値が「5」以上になると、オーロラの出現帯(オーロラオーバル)が南にずれてしまうこともよくあります。
また、このサイトに表示されている時刻はすべて協定世界時(UTC)です。旅行先との時差にも気をつけましょう。
- ノルウェー、スウェーデン:UTC+1時間(表示時刻に1時間プラスで現地時間)
- アイスランド:UTC+0時間(表示されている時刻=現地時間)
- フィンランド:UTC+2時間(表示時刻に2時間プラスで現地時間)
注意点:
サマータイム期間(3月の最終日曜日〜10月の最終日曜日)は、それぞれの現地時間がさらに+1時間となります。
オーロラ発生エリア予報(AURORA – 30 MINUTE FORECAST)
こちらは、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の宇宙天気予報センター(SPACE WEATHER PREDICTION CENTER)が提供しているWebサイトです。
人工衛星からの最新データをもとに、約30〜90分後にオーロラが出現するエリアをリアルタイムで予測しています。
サイト上には2枚の地図が表示されていて、
左が北半球(北極)、右が南半球(南極)を示しています。

地図上に見える緑色のドーナツ状の輪は、オーロラの位置や広がり。
オーロラの活動が強まると、この輪は黄色や赤色に変化していきます。
また、地図の背景には青く明るい部分(昼)と、影になっている部分(夜)が表示されています。
暗いエリアが、実際にオーロラが見えやすいゾーンになります。
なお、こちらのサイトも時刻表示は協定世界時(UTC)です。現地との時差調整をお忘れなく!
オーロラ・ライブカメラ
The University Centre in Svalbard(UNIS)が運営する光学観測所では、ライブカメラ「Sony A7s All Sky Color Camera」が設置されています。

180度の全天をとらえるカメラで、1分ごとに自動更新されているため、
- 今まさにオーロラが出ているか
- どの方角に出ているか
- どれくらいの強さなのか
- 空の雲の様子
など、現在の空のコンディションがひと目でわかるのが魅力です。
特にロングイェールビーンでオーロラを探すなら、このカメラが一番確実かもしれません。
このほか、他国の人気オーロラ観賞地にもライブカメラがあります。
ウェブ上でチェックできるのは以下の地域:
旅行前や滞在中に、実際の空の様子を確認するのにとても便利です。
【ノルウェー】天気予報 Yr.
ノルウェー気象研究所が提供する天気予報サイト「Yr.」は、現地の人も日常的に利用している定番サイト。
オーロラ観賞に欠かせない雲の量や風の強さ、体感温度まで、1時間ごとの詳細な情報がチェックできます。

特に「Details」タブでは、空を覆う雲の割合が確認できるため、「今日は晴れていそうだけど、実際どうかな?」というときにも便利です。
また、気温だけでなく風や湿度による体感温度が表示されるのもポイント。外に出る前の服装の目安になります。
さらに「Nearby」タブを開くと、簡易的なオーロラ予報やライブカメラも確認できます。

スヴァールバル諸島でも、この天気予報は比較的精度が高く信頼されています。
ですが、極地の天気は変わりやすいので、参考にするのは当日と翌日の予報くらいがちょうどいいかもしれません。
【番外編】Facebookグループ
スヴァールバル諸島でオーロラ観賞をしている人たちが集うFacebookグループ「Nordlys i Longyearbyen…. Aurora Boreal」。
そこでは、リアルタイムで観測情報がシェアされています。
誰かがオーロラを目撃すると、写真とともに
- 今どの方向に見えているのか
- 街中からも見えるほどの強さか
といった具体的な情報を投稿してくれるので、とても参考になります。
投稿が活発になってきたら、「そろそろ強いオーロラが出ているかも!」と気づく目安にもなりますね。
なお、ノルウェー(トロムソ)やアイスランドなど、他の国や都市にも地域別のオーロラ情報グループがあるようなので、旅先に応じて探してみるのもおすすめです!
まとめ
今回は、私が実際に活用しているオーロラ関連サイトをもとに、観賞に役立つウェブサイトをご紹介しました。
オーロラを観に行くとき、私がいつも行っているのがこの5つのチェック。
- Kp指数 (オーロラの強さ) をチェック
- 30〜90分後のオーロラ発生エリアを確認
- ライブカメラで現在の空の様子を確認
- 天気予報で雲量や体感温度をチェック
- SNSや現地のコミュニティ投稿でリアルな情報を収集
この5つのツールを使えば、自分の力でオーロラ鑑賞のチャンスをぐっと高めることができます。
オーロラ旅行を計画中の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!