オーロラが見られるかどうかは運次第だといわれますが、オーロラ旅行をするのであれば、少しでも見られる確率を上げたいと思いませんか?
オーロラ予報はオーロラの観測率を上げるために欠かせないものです。
最近は数多くの予報サイトやアプリがあり、非常に専門的な研究機関のデータも簡単に見られるようになりました。
ですが、宇宙天気データを読み解き、オーロラ発生のメカニズムを本格的に理解するのは何だか難しそうですよね。
この記事では、初心者でも簡単に使えるオーロラ予報アプリについて詳しく解説します。
予報アプリを活用して、オーロラ観測を成功させましょう!
Space Weather Live
まずはオーロラの強さに関する予報が見られるアプリ、Space Weather Live。
前回の記事では、ウェブ版をご紹介しました。
アプリでもウェブサイトと同じデータを見ることができます。
ホーム画面には、現在のKp-index (Kp指数)と3日間の予報が出されています。
Kp-index (Kp指数) は、地磁気の強さ (オーロラの強さ) を表示する数値です。
Kp指数は0〜9までの10段階。
(厳密には 0, 0+, 1-, 1, 1+, …のように、プラスとマイナスも加わった28段階で表示されます)
・Kp値0~3… 太陽活動は穏やか
・Kp値 4以上… 太陽活動は活発
「Auroral activity」の項目、「Aurora forecast」では、3日先まで3時間ごとのKp指数が見られます。
「Kp-index / Kp指数」は Planetary K-indexの略語で、全世界の平均的なK指数です。
Kp指数とは別に、高緯度、中緯度、低緯度の3つに分けられた磁気緯度によるK値もあります。
磁気緯度とは?
地球では地理的な極(北極点、南極点)と、磁極(北磁極、南磁極)が正確に一致していません。
そのため、オーロラと緯度に関する事柄は地理的な緯度ではなく、磁気緯度が重要。
地磁気北極はオーロラが見られる地域(オーロラベルト)の中心となります。
オーロラベルトの中心が地図上の北極点から外れているのはこのためです。
一般的に「High latitude K-indices / 高緯度地方 K値」は磁気緯度60度以上、
「Middle latitudes K-indices / 中緯度地方 K値」は磁気緯度50~60度といわれています。
オーロラ鑑賞地として人気な北欧、カナダ、アラスカなどの都市は高緯度地方です。
こちらのウェブサイトでは、緯度と経度を入力するだけで簡単に地理座標から地磁気座標に変換できます。
また、長期予報では27日先までのKp指数と月の状態が見られます。
「Auroral activity」の項目、「Auroral oval」は、約60分後にオーロラが現れるエリアの予測です。
マップを拡大すると、現在の天気や雲量、オーロラが現れる確率などの情報もチェックできます。
「オーロラオーバル」と「オーロラベルト」、何が違う?
「オーロラオーバル」とは、ある時刻にオーロラが出現するエリア。
オーロラオーバルの大きさはオーロラの強さによって変化します。
オーロラの活動が弱いときは幅が狭まり、オーロラが見られる場所も限られます。
一方、オーロラの活動が活発なときは幅が広がり、普段オーロラが見られない低緯度の地域でも見られる可能性があります。
「オーロラベルト」とは、統計的にオーロラが出現する確率の高いエリア。
北半球、南半球ともに磁気緯度60度~70度の範囲で、オーロラ鑑賞地として人気なカナダ、アラスカ、北欧、アイスランドなどの国々が含まれています。
画面上の⚠では、オーロラや太陽活動のアラートが表示されるので、こちらも確認してみてください。
なお、設定項目でアラート機能を有効にすると、通知が届くようになります。
My Aurora Forecast & Alert
オーロラ予報に必要な情報をカバーしつつも視覚的にわかりやすく作られている、My Aurora Forecast & Alert。
アプリを開くと、一番上には現在のKp指数 (オーロラの強さ) が表示されています。
こちらをタップして、位置情報の設定も可能です。
「Aurora Map」の項目では、現在オーロラが現れる可能性のある場所を見ることができます。
色によってオーロラが見られる確率を区別しています。
オレンジや赤色の地域は、オーロラが見られる可能性が高いです。
「Aurora Map」のページ右上、衛星のマークをタップすると、約1時間後にオーロラが現れるエリア (オーロラオーバル) の予報が表示されます。
最近はホーム画面にライブカメラ機能が追加され、さらに便利になりました。
現在の空の様子が一目でわかります。
画面上部にあるメニューの左側から二つ目は、オーロラ予報に関する数値データのページです。
このアプリは短期予報が充実しており、30分先まで5分ごとのオーロラが見られる確率や10分ごと、3時間ごとのKp指数が確認できます。
このアプリでも簡単なものですが、太陽活動が活発な際にアラート通知があります。
Aurora Forecast 3D
スヴァールバル大学センター (UNIS) からリリースされた、Aurora Forecast 3D。
このアプリでは、オーロラが空のどの方角に現れるかを見ることができます。
ホーム画面は地球儀のようになっており、緑の円はオーロラが見られる可能性のあるエリアです。
地球儀をスクロールしてオレンジ色の点を見たい場所に合わせると、画面左上のコンパスにオーロラの方角が表示されます。
また、その場所から空を見上げた場合、どのくらいオーロラが空を覆うかも知ることができます。
しかし、一つだけ難点があり、このオレンジ色の点を動かす方法では地球儀で正確な現在地が見つけにくいです。
そのため最初に画面左上で現在地の設定をしておくことをオススメします。
位置情報の設定には、その場所の緯度と経度が必要です。
位置情報が正しく設定されれば、ホーム画面の地球儀に赤色の点が表示されます。
他のオーロラ予報アプリと同じように、「FCST」のタブではオーロラの強さ予報、「SUN」では太陽と月の動きを見ることができます。
Aurora Labs: Aurora Forecast
北ノルウェー在住のオーロラガイドによるアプリ、Aurora Labs: Aurora Forecast。
ホーム画面はカラフルなタイルのようになっており、オーロラ予報に必要な情報が集約されています。
現時点では、Androidのみ利用可能です。
画面の上部で現在地や見たい場所を検索すると、その場所のオーロラ予報やデータが表示されます。
このアプリの最大の特徴は、天気予報はもちろん、雲に関する情報も載っていることです。
せっかく上空でオーロラが発生していても、厚い雲があればオーロラは見られません。
このアプリは現在の雲の状況を確認したり、今後の雲の動きを見たりするのに便利です。
上層雲、中層雲、下層雲と、雲の高さごとに情報が提供されています。
下層雲は厚みがあり、オーロラ鑑賞の妨げになる可能性があります。
反対に、上層雲はうすい雲で、雲が出ていてもオーロラを見ることが可能です。
短期3日間と長期27日間のKp指数、約60分後にオーロラが現れるエリアの予報もあります。
Norway Lights【ノルウェー】
ノルウェー政府観光局によるアプリ、Norway Lights。
このアプリでは、ノルウェーのオーロラ鑑賞地として知られる12都市の概要が紹介されています。
これまでご紹介してきたアプリと違い、このアプリのオーロラ予報はかなりシンプル。
その都市におけるオーロラ活動と雲量からオーロラ観測に行くべきか判断され、Go、Try、Wait の3段階で表示されます。
3日先まで3時間ごとのオーロラ予報を見ることができます。
他のアプリに比べてオーロラ予報の情報やデータが少ないので、観測の際に使用するというよりは、旅行プランを立てる際にノルウェーの鑑賞地を比較するための利用がおすすめです。
ベストな観測スポット、観光情報、現地オーロラツアーなども都市ごとに紹介されています。
まとめ
オーロラ予報アプリと一口に言っても、さまざまなアプリがありますね。
最後に振り返りをかねて、各アプリのポイントをまとめておきます。
ご自身にぴったりの予報アプリを見つけて、ぜひオーロラ観測を成功させてくださいね!