トロムソでオーロラツアーに参加してみたいものの、何かと心配に思うことはありませんか?
特に、現地ツアーにはじめて参加するときは、
「ツアー当日の流れはどんな感じ?」
「天気が悪い場合はどうなる?」
「一人で参加したいけど、雰囲気は?」
「英語に自信がないけど大丈夫?」
など、さまざまな不安がつきものです。
この記事では、実際にトロムソの現地ツアーに参加した経験から、気になるツアー当日の流れや雰囲気などを詳しく紹介します。
ツアー当日に思い切りオーロラ鑑賞を楽しむためにも、ぜひ参考にしてみてください!
ツアー基本情報
最初に、参加した現地ツアーの予約方法やこのツアーを選んだポイントについて紹介します。
ツアー情報
今回は「写真と温かい食事で楽しむオーロラ狩り」というツアーに参加しました。
- 最大参加人数: 15人
- 所要時間: 7時間
- 催行日: 毎日
- 車種: ミニバス
- ガイド: 英語
- 年齢制限: 有(12歳以上)
- 送迎: 有
- 催行会社: The Green Adventure
どこでツアーを予約した?
ツアー参加日の約1か月半前に、「GetYourGuide」というウェブサイトで予約しました。
「GetYourGuide」は、世界中の観光ツアーやアクティビティの予約を提供するウェブサイトです。
トロムソ発のオーロラツアーも種類豊富に取り扱っています。
時期によっては早割や直前割などの割引があり、ツアー会社の公式HPや観光案内所で予約をするより、お得になることも!
実際に今回参加したツアーでは、ツアー会社の公式HPよりもNOK 300(約4,200円)安く予約することができました。
日本語で現地ツアーの検索や予約ができ、24時間前までキャンセル無料なのもうれしいポイントです。
このツアーを選んだ理由
悪天候の場合でもオーロラが見られる可能性のある少人数のミニバスツアーに絞って探していました。
しかし、現地ツアーの予約サイトを見ると似たようなツアーがずらりと並んでいます。
まずは検索フィルターを使用し、時間帯、所要時間、価格、少人数グループなどの条件で絞り込みました。
今回の検索条件
- 所要時間が7時間以上
- 参加人数が15人以下の少人数グループ
- レビュー評価が4.5星以上
- ツアー料金NOK 2,500(約3,500円)以下
- 無料の写真撮影付き
- フィンランドまで行く可能性あり
そして、軽食や食事、防寒着などの有無も含めて、どのツアーがいいか検討していきます。
特に「パスポート持参」と記載されているツアーを重点的にチェックしました。
そのようなツアーは、当日の状況によって必要ならばフィンランドまで移動します。
積極的にオーロラを追いかけるので、オーロラが見られる可能性が高いそうです。
ある程度よさそうなツアーの目星がついたら、Googleやトリップアドバイザーのレビューもざっと確認しました。
さらにツアー会社のインスタグラムやフェイスブックなどのSNSもチェック。
ツアー会社によってはツアーの様子をSNSに投稿しており、どのくらいの頻度でオーロラ観測に成功しているか見ることができます。
今回選んだツアー会社、The Green Adventureもフェイスブックで毎回ツアーの様子をオーロラの写真付きで投稿していました。
オーロラ写真のクオリティの高さと、悪天候の場合でもオーロラ観測に成功している実績が大きな決め手となりました。
現地オーロラツアー|体験記

2024年10月下旬、トロムソ発のミニバスで行く少人数オーロラツアーに参加しました。
以下はそのときの体験談です。
悪天候の中でも、運良くオーロラを見ることに成功しました!
当日の天気や太陽活動の状態
ツアー当日は朝から雨が降ったり止んだりしていました。
平均風速12m/s前後の強い風もビュンビュン吹いており、荒れた天気。
トロムソ市内の気温は、夜間でも6℃前後あって平年より暖かかったです。
しかし、強風で実際の体感温度はかなり低く感じました。
この日の天気はオーロラ鑑賞に適していませんでしたが、太陽活動は活発になるという予報。
太陽活動のレベルを表すKp指数は「4+」で、強いオーロラが現れることを期待していました。
ところが、ツアー開始の18時から23時ごろまでKp指数は0のまま。
23時以降にようやく「Kp1」になり、この日のツアー中は終始「Kp0~1」でした。
トロムソはオーロラが頻繁に現れるオーロラベルトの中に位置しているので、Kp指数が低くてもオーロラが見られる可能性は十分あります。
Kp指数とは?
Kp指数は、太陽風によって引き起こされる地磁気活動のレベル(オーロラの強さ)を表します。
範囲は0~9まであり、値が大きいほど地磁気の乱れが大きく(オーロラが強く)なります。
- Kp 0~2 … 静か(オーロラ弱)
- Kp 3 … 不安定
- Kp 4 … 活発
- Kp 5~6 … 小中程度の磁気嵐
- Kp 7~9 … 強い磁気嵐(オーロラ強)
ツアーの雰囲気は?

海外の少人数ツアーって、どんな雰囲気?
参加したのは最大15名までのツアーで、当日は14名の参加者がいました。
グループメンバーの出身国は、アメリカ、イタリア、オランダ、ギリシャ、スペイン、日本と国際色豊か。
年齢層の幅も広く、一番下は高学年の小学生、一番上は60代ぐらいのカップルでした。
一人参加の人もいれば、親子、カップル、友人同士で参加している人もいて、だれでも参加しやすい雰囲気です。
その日のメンバーによって雰囲気は多少変わる可能性がありますが、グループ全員で和気あいあいというより、それぞれオーロラ鑑賞を楽しんでいました。
どのくらいの英語力が必要?

英語が苦手だけど参加できる?
高い英語力があるに越したことはないですが、英語が話せなくても現地ツアーに参加することは可能です!
オーロラツアーでは、そこまで難しい英会話は必要ありません。
自分の希望をシンプルな構文と単語で伝えることができれば、特に問題はないでしょう。
そもそもノルウェーは英語が母語の国ではないですし、ツアーガイドも英語が母語ではない他のヨーロッパ出身の人が多いです。
また、ガイドたちは普段から世界中さまざまな国からの観光客を相手に仕事しており、完璧でない英語に慣れています。
しかし、英語が話せなくても大丈夫とはいえ、ツアーガイドの指示が理解できる程度の英語力は必要です。
ちなみに、この日はガイドが常にグループ全員に対して話しており、参加者同士で会話することは特にありませんでした。
私はオーロラの写真撮影に夢中になっていたので、ガイドとも個人的な会話は一言二言交わしただけ。
もちろん、オーロラやトロムソについて質問がある場合は、丁寧に答えてくれます。
ツアー当日の流れ
以下はツアー当日のおおまかな流れです。
- 18:15
Scandic Ishavshotel ホテルに集合
- 20:00
トイレ休憩
- 20:30~
21:101回目の鑑賞
軽食と温かい飲み物 - 22:00
2回目の鑑賞
- 22:40
国境を越えてフィンランドへ
- 23:40~
1:003回目の鑑賞
写真撮影、キャンプファイヤー、食事 - 3:00
ツアー終了
ホテルへ送迎
18:15 ツアー開始
当日は18:15からツアーがスタート。
スカンディック イシャフスホテル(Scandic Ishavshotel)の前で、開始時刻の5分前に集合です。
少し早めの18:00ごろ集合場所に到着したら、ホテルのエントランスはオーロラツアーに参加する人でごった返していました。
さまざまなツアー会社がこちらのホテルをオーロラツアーの集合場所にしています。
集合場所へ向かう前に、参加するツアーの会社名を確認しておきましょう!
18:10ごろにやってきたツアーガイドは名簿を見ながら参加者の出席確認をして、どの車両に乗るか振り分けていきました。
この日は3台のミニバスが用意されており、全員が揃うとミニバスはすぐに出発。

ミニバスの座席は、通路を挟んで2席と1席に分かれている3列シートです。
移動しながら行き先やツアーガイドの自己紹介などを聞きます。
この日はトロムソ周辺は晴れる見込みがなく、フィンランド国境付近まで行く予定だと言われました。
国境を越えてフィンランドに入るかどうかは、実際に行ってみないとわからないとのこと。
20:00 トイレ休憩
トロムソの中心部から南の方へ移動すること約2時間。
サービスエリアに立ち寄ってトイレ休憩をはさみました。
サービスエリアと言っても、夜間は駐車スペースと公共トイレがあるだけです。
ここから先にはトイレがなく、ツアー中に利用できる最初で最後のトイレとなります。
海外の無料で利用できる公共トイレに清潔さは期待していませんでしたが、トイレットペーパーもしっかり用意されていて、意外ときれい。
ただし、男性用、女性用、多目的トイレがそれぞれ1つずつしかないので、他のツアーと利用時間が重なると長い列ができます。
20:30 1回目の鑑賞
ツアー開始から移動に費やすこと数時間。
ようやく雲の切れ間が見つかりました。
まずはガイドだけがバスから降りて、上空の空模様を確認。
「OKサイン」が出たので、全員バスから降りて、オーロラが現れるまで待機します。
その間はホットココアとシナモンロールを食べながら、ガイドからオーロラの見え方やスマホでの撮影方法などのレクチャーを聞きました。
ときどき雨がぱらつく中、うっすらとオーロラが出現!

しかし、肉眼では雲と見分けがつかないような弱いオーロラでした。
しばらくすると曇ってしまったので、さらに晴れ間を求めてフィンランド国境付近へ移動します。
22:00 2回目の鑑賞
ツアー開始から約4時間が経過。
国境を越える手前でもう一度バスから降りて再チャレンジです。
道端でしばらくオーロラの出現を待ちましたが、雲の動きが早く、すぐにまた曇ってしまいました。
天気予報や気象データではフィンランド側のほうが天気がよさそうだということで、フィンランドに行くことに。
さらに30分ほどのドライブで国境を越えて、ついにフィンランドまでやってきました。
最初の村、キルピスヤルビを通り過ぎて街灯がなくなったところで停車。
実際に現地の天気を見てみると、残念ながら空は完全に厚い雲に覆われていました。
結局、ノルウェー側のほうが雲の切れ目からオーロラが見られる可能性があり、急遽引き返すはめに。
この時点でグループの全員が希望を失い、ミニバスの車内は諦めムードが漂い始めます。
あとはひたすらミニバスを走らせてトロムソに戻るだけだと思っていましたが、途中でガイドがふたたび空の状態を確認。
もう少し先に進むと雲の切れ目があるということで、さらに移動していきます。
23:40 3回目の鑑賞
オーロラ鑑賞によさそうなスポットを見つけ、バスから降りること3回目。
ついに、雲の間から肉眼でもはっきりと見えるオーロラがゆらゆらと動いていました!

オーロラが出ているうちに、ツアーガイドはどんどんオーロラを背景に参加者の写真を撮影していきます。
撮影回数に制限はなく、オーロラが出ている間は好きなだけ写真を撮ってもらえました。
しばらくオーロラ鑑賞と写真撮影を楽しみ、オーロラが弱くなってきたところで焚き火を起こして少し休憩。

キャンプファイヤーを囲みながら、トナカイのスープをいただきました。
食後にマシュマロを焼いていたら、ふたたび強いオーロラが出現。
2回目の写真撮影がスタートし、オーロラと一緒にたくさんの写真を撮ってもらうことができて大満足です。
その後もオーロラは現れたり消えたりを繰り返し、深夜1時ごろまでオーロラ鑑賞が楽しめました。
03:00 ツアー終了
帰りは途中で止まることなく走り続けて、深夜3時ごろトロムソの中心部に戻ってきました。
それぞれが宿泊しているホテルに送り届けてもらい、ツアー終了です。
良かった点、悪かった点
実際に現地のオーロラツアーに参加してみて、参考までに良かった点や悪かった点などの感想です。
- 悪天候でもオーロラが見られた
- オーロラを追いかける前向きな姿勢
- たくさん写真を撮影してもらえた
- 無料の写真でも十分きれいな画質
- オーロラやトロムソに関する豊富な知識
- 防寒着のレンタルが含まれていた
今回のツアーは予約サイトで口コミ評価が高いだけあって、全体的に満足度の高い体験となりました。
オーロラハンティング、ツアーガイド
ツアーに参加した当日は天気がかなり悪かったので、期待半分、不安半分でした。
トロムソ周辺の天気が悪い場合、オーロラが見られるかどうかは参加するツアー会社やガイドのオーロラを追いかける姿勢や知識と経験にかなり左右されます。
同じ日の同じ時間帯にオーロラハンティングをしていても、参加したツアーによってオーロラ鑑賞に成功した人と失敗した人に分かれるなんてこともめずらしくありません。
実際に、ツアー翌日に宿泊先のホテルで他のツアーに参加した旅行者と話したところ、オーロラは見られなかったとのことでした。
私が参加したツアーでは悪天候でもあきらめず、深夜まで積極的にオーロラを追いかけてくれたおかげで、オーロラが見られました。
また、良いガイドに当たるかどうかも重要なポイントだと思います。
トロムソのオーロラガイドの中には、出稼ぎ目的やワーキングホリデーなど、短期の仕事として働いている人もいて、ガイドの質にはばらつきがあります。
ツアーを予約する前に低評価のレビューにも目を通してチェックしておきましょう。
今回参加したグループを担当したのは、オーロラガイド歴7年のノルウェー人ガイド。
オーロラやトロムソにまつわる知識が豊富で、オーロラが現れるまでの待機中も話を聞きながら楽しく過ごせました。
防寒着のレンタル
今回は真冬ではなく10月だったので、防寒着は特にレンタルする必要がないと思っていました。
しかし、結果として借りることができるという選択肢があってよかったです。
ミニバスのトランクに防寒スーツが積まれており、寒ければいつでも着用できます。
オーロラハンティングのツアーは所要時間が長く、最初は大丈夫でもどんどん体が冷えていきます。
ツアー後半にフィンランド国境付近の山間部で鑑賞した際は、約半分の参加者が防寒着を借りていました。

今回は何と言ってもオーロラが見られたし、ツアー自体が楽しかったので、悪かった点は特にありませんでした。
強いて言えば、気になったのは以下の3つ。
- 食事のスープ
- キャンプファイヤー
- ときどき荒くなる運転
食事のスープ
ツアーの概要には温かいスープ付きだと記載されていたので、自家製スープや地元のレストランからのスープを期待していました。
しかし、実際はフリーズドライのスープでした。
配られたのは、こちらのトナカイ肉のスープ。

パッケージにお湯を注いでかき混ぜ、待つこと約8分で食べられます。
私は普段からアウトドアで出かける際にドライフードを食べているので、特に抵抗はありませんでしたが、一緒に参加した友人は少し驚いた様子。
しかし、食べてみると意外とおいしかったらしく、「お土産に買ってかえりたい」なんて言っていました。
キャンプファイヤー
焚き火があるだけで雰囲気がよくなり、暖まることもできるので、悪くはなかったです。
一方で、オーロラの写真を撮るときには、焚き火の光が撮影の妨げになることも。
ツアーから戻って自分で撮影したオーロラの写真を見返すと何枚かオレンジ色の光が写っていて少し残念でした。
せっかく光害の少ない暗い場所でオーロラを見ていたので、焚き火はないほうがきれいにオーロラが見られたのかなと思います。
とはいえ、キャンプファイヤーをしたのはスープを食べるときなど、比較的短い時間だったので、大きな問題ではありませんでした。
移動中の運転
最後に気になったのは、ときどき荒い運転。
特に上空にオーロラが現れていて移動を急いでいるときなど、けっこうスピードが出ていたように感じました。
のんびりしていたらオーロラは消えてしまう可能性があるので、ある程度は仕方がないのかもしれません。
乗り物酔いのしやすい人は、酔い止めを飲んでおくと安心です。
まとめ
今回はフィンランドまで行くという過酷なオーロラハンティングとなりましたが、オーロラを見ることができました!
ツアー当日はあまりの悪天候に直前になってキャンセルされるのではないかとヒヤヒヤ。
しかし、心配をよそにツアーは通常通り催行されました。
大雪警報が出ているなど、ツアー会社がオーロラが見られる可能性は限りなく低いと判断した場合、ツアー中止のお知らせがきます。
天気予報でツアー当日の天気が悪そうだからといって自らキャンセルせずに、そこはオーロラハンティングのプロに判断を任せましょう。
トロムソ周辺の天気が悪くても晴れ間があれば、オーロラが見られる可能性はあります。
また、今回参加したツアーではグループの大きさがちょうどよく、ツアーガイドや他の参加者とも程よい距離感でした。
一人参加や英語が苦手な場合でも気まずい思いをすることなく、楽しめると思います。
トロムソで現地のオーロラツアーに参加することを検討しているのであれば、ミニバスでオーロラを追いかけるツアーがおすすめです!