【スヴァールバル諸島】季節別の服装選び|在住者の実例コーデ

スヴァールバル諸島
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国内、海外旅行の服選びで失敗した経験はありませんか?

旅を最大限に楽しむためには、旅行先に合った準備が大切ですよね。

しかし、極地のスヴァールバル諸島へ旅行する際は、服装に困る人も多いのではないでしょうか。

住んでいる場所と気温が違う!

どんな服装が正解?

-10℃以下は何を着たらいい?

そこで、今回は気温別の服装のポイントと現地在住者の実例コーデをご紹介します。

この記事を読めば、極地の気温にしっかり対応でき、現地での観光も楽しめるはずです!

スヴァールバルの季節と気候

「極地では地球のほかの場所より急速に温暖化が進んでいる」という話を聞いたことがある人も多いかと思います。

高緯度に位置するスヴァールバル諸島も気候変動の影響を大きく受けている場所の一つです。

近年は記録的な暑さや極端に寒い日が続くなどの異常気象になることもめずらしくありません。

年や日によって天候に大きなばらつきがありますが、スヴァールバル諸島の一般的な気候について押さえておきましょう。

春夏秋冬の四季がある?

春夏秋冬がはっきり分かれている日本のような四季はありませんが、スヴァールバル諸島にも大きく分けて4つの季節があります。

  • 晴れの冬|Sunny Winter(3月~5月)
  • 極地の夏|Polar Summer(6月~8月中旬)
  • 黄金の秋|Golden Autumn(8月下旬~9月)
  • オーロラの冬|Northern Lights Winter(10月~2月)

スヴァールバル諸島は極地だけあって、一年のうち約8か月は雪に覆われています。

街の雪解けが始まるのは、例年5月中旬から。

6月上旬ごろには完全に雪がなくなり、短い夏がやってきます。

月別の平均気温はどのくらい?

Average monthly minimum and maximum temperature in Longyearbyen,

気温は10月から5月まで氷点下の日々が続きます。

真冬の1月が一番寒いと思われがちですが、スヴァールバル諸島では2月と3月が一番寒く、マイナス20℃ほどに冷え込む日が多いです。

6月に入ると気温がようやく氷点下から抜け出し、7月が一番暖かい月になります。

では、実際に月ごとの平均気温を見てみましょう。

気をつけたいのは、あくまで平均ということ。

年によって、また日によっても気温の差が激激しく、この表の上下10℃前後の差が出る場合もあります。

ロングイェールビーン1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
最高気温(℃)-9-9-9-705983-2-5-8
最低気温(℃)-16-17-17-13-52540-7-11-14
出典: NOAA

雨や雪が多い?

一年の大半が雪で覆われていますが、意外と降雪量は少ないです。

積雪の深さも最大で30cmほど。一年を通して非常に乾燥しています。

9月は最も降水量が多い月です。しかし、平年であれば雪が降るのには早すぎます。

ロングイェールビーン1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
降水量(mm)21.018.016.09.08.09.020.023.027.019.023.025.0
降雨日数(日)333211344344
出典: NOAA、Yr

気温別!服装のポイントとおすすめ実例コーデ

スヴァールバル諸島では、街でも職場でもアウトドアウェアが普段着。

防寒と機能性重視で、残念ながらおしゃれとは無縁の服装です。

一年中、外出時は冬服を着ます

ちなみに、町にある建物はセントラルヒーティングが完備されており、建物や家全体が暖かいです。

室内は半袖1枚でもOK!

最高気温1〜8℃の服装|重ね着で体温調節

【夏~秋: 6月中旬から9月上旬】

薄手ダウンジャケット、トレッキングパンツ、ニット手袋、ニット帽、イヤーウォーマー
フリース裏地付きパーカー、トレッキングパンツ、ニット手袋、ニット帽、イヤーウォーマー

服装のポイント
・気温に合わせて脱ぎ着しやすい重ね着
・保温性を備えたパンツ

服装

  • 薄手のダウンジャケットまたは防風パーカー
  • セーターまたはフリース
  • 半袖シャツ
  • 厚手のトレッキングパンツ
  • 保温タイツ

私が夏に着ているアウターは、薄手のダウンジャケットか防風のフリース裏地付きパーカーです。

その下にはセーターやフリースなど保温性のあるものと、室内で着ている半袖シャツ。

ボトムスはモンベルの厚手トレッキングパンツを愛用。起毛の裏地付きで暖かいです。

そのパンツの下にユニクロの極暖ヒートテックレギンスなどを履きます。

小物類

  • ニット帽またはイヤーウォーマー
  • 手袋
  • スニーカーまたはトレッキングシューズ

夏でも風が吹くと寒いので、寒さから身を守るニット帽やイヤーウォーマーと手袋は必需品です。

登山や釣りなどのアウトドアで長時間の外出になる場合は、次の気温0℃からマイナス5℃の服装をすることもあります。

最高気温0〜マイナス5℃の服装|暖かい防風ウェア

【初夏、初冬: 5月中旬から6月上旬、9月中旬から10月中旬】

防風ジャケット、トレッキングパンツ、手袋、ニット帽

服装のポイント
・防風ウェアで風による身体の冷え対策
・雨や雪を防ぐ防水ジャケット

服装

  • ジャケット(防水・防風)
  • セーターまたはフリース
  • 半袖シャツ
  • 厚手のトレッキングパンツ
  • 保温タイツ

季節の変わり目で雨が降りやすいこの時期は、防水ジャケットがおすすめ。

スヴァールバル諸島では傘が壊れるほどの強い風が吹くこともあって、雨の日でも傘をさしている人は見かけません。

突然の雨雪にも対応できるフード付きのジャケットがあると安心です。

また、気温が氷点下になると防風機能も必須。

体感温度は風によって大きく変わり、一般的に風速1m/sで体感温度が1℃下がるといわれています。

一年を通して風速5m~15m/sの日が多く、実際の気温と体感温度の差が10℃以上あることもめずらしくありません。

そのため、風を通さない防寒着であることは重要です。

小物類

  • ニット帽
  • 手袋
  • スパイク付きシューズまたはスノーブーツ

気温が0℃前後で上下する時期は、道路や地面の雪解け水が凍ったりして、滑りやすく危険。

現地在住者で路面凍結に慣れていても、転んで怪我をしたという話を聞きます。

そこで大活躍するのがスパイク。大きく分けて3つのタイプがあります。

スパイクの種類
  • ピンスパイク
  • 取り付けスパイク
  • ワンタッチスパイク

ピンスパイク … 靴底にピンがついているタイプ。

ピンスパイクシューズ

メリット: 足裏全体でグリップが効く
デメリット: レストランやお店などの建物に入れない


取り付けスパイク … 付け外しするタイプ。

取り付けスパイク

メリット: 必要なときに付けられる、手持ちの靴が使える
デメリット: 持ち歩きや付け外しが面倒


ワンタッチスパイク … 折りたたみ式のスパイクを出し入れするタイプ。

ワンタッチスパイクシューズ

メリット: 天候に合わせて使い分けできる、スパイクの取り付けが簡単
デメリット: ピンスパイクよりグリップ力が弱い


私は3種類とも持っていますが、普段使いしているのはワンタッチタイプ



天気や必要に応じて簡単にスパイクの出し入れができて便利です。

最高気温マイナス6~マイナス15℃の服装|厚手のアウター着用!

【冬~春:10月下旬から5月上旬】

極地用ダウン、セーター、フリース、雪山登山パンツ、防寒グローブ、インナーグローブ、ウール靴下、耳付き帽子

服装のポイント
・厚手アウター&パンツでしっかり防寒
・トップスは首元まで暖かいものを着用
・手袋は5本指のものよりミトンタイプ

服装

  • 厚手のダウンジャケット(防水・防風)
  • セーターまたはフリース
  • 半袖シャツまたは薄手の長袖インナー
  • 雪山登山向けパンツ
  • 厚手の保温タイツ

本格的に寒くなると極寒地にも対応できる保温性と機能性を持たせたダウンを着ます。

この時期に着るダウンは厚手でお尻まですっぽり隠れる長めの丈。

このダウンでしっかり防寒できるので、基本的にトップスは室内で着ている半袖シャツにフリースやセーターなどの薄着です。

風が強くて体感温度が低い日や長時間の外出をする場合は、半袖シャツを暖かい長袖インナーに替えます。

ちなみにファッション用の冬物アウターは、厚手で暖かそうに見えても気温がマイナス10℃を下回ると防寒性が足りません。

その場合は、動きにくくなってしまいますが、さらに数枚アウターの中に着込んでください。

機能性に優れたアウトドア用ジャケットや極寒地用ダウンは購入すると高額になるので、レンタルするのも手です。

極寒地用ダウン

小物類

  • 耳当て付き帽子
  • インナーグローブ
  • 防寒グローブ
  • 厚手のウール靴下
  • スノーブーツ
  • 反射ベスト

寒さが厳しくなると手袋も冬仕様のものに変えます。

5本指のグローブより保温性の高い厚手のミトンがおすすめ。

ミトンタイプの保温性が高い理由は、5本指タイプより外気と触れる表面積が少ないからです。

ミトンの下に薄手のグローブを重ねて使用することで、指先が冷えずさらに暖かくなります。

真冬の防寒ブーツは保温性のあるミドル丈やロング丈のものを履いています。

街中では基本的に大量に雪が降り積もることはないので、完全防水でなくてもOK。

それよりも保温性が高く、滑りにくいグリップ力の優れたものであることのほうが重要です。

防寒ブーツ

ちなみに、10月下旬から2月中旬は太陽が昇らず一日中暗い極夜の時期。

この時期は暗闇や吹雪で視界不良になりやすく、車との接触事故のリスクが高まります。

現地では在住者のほぼ100%が反射ベストを着用しています。

反射ベスト

旅行者の方も手足に反射バンドを巻くなど、反射材グッズを身に着けておくと安心です。

最高気温マイナス16℃以下の服装|ウール素材が大活躍!

【冬~春: 11月から4月の特に寒い日】

極地用ダウン、セーター、フリース、雪山登山パンツ、毛皮ミトン、ネックウォーマー、ウール靴下、耳付き帽子

服装のポイント
・保温性に優れているウールで暖かさキープ
・冷えやすい足先は靴下の重ね履き
・顔までしっかりカバーできるネックウォーマー

服装

  • 厚手のダウンジャケット(防水・防風)
  • セーターまたはフリース
  • 中厚手または厚手の長袖インナー
  • 雪山登山向けパンツ
  • 厚手の保温タイツ
  • (フリースパンツ)

基本的にはマイナス6℃からマイナス15℃の服装と同じですが、マイナス15℃を下回る日はウール素材のインナーがマストアイテム。

ウールは体温で温められた空気を溜め込んで保温効果を高めることができ、多くのアウトドア製品にも取り入れられています。

中でもメリノウールは一般的なウールよりも繊維が細くて保温性や吸湿性に優れ、冷たい外気から身を守ってくれる上質なウールです。

私は高品質でコスパのいいモンベルの「スーパーメリノウール」を愛用しています。

真冬の寒い日でも、この厚手のアンダーシャツとタイツを着れば冷えることはありません。

極寒地で大活躍のメリノウールですが、デメリットは化学繊維と比べると値段が高いこと。

なので、モンベルのジオラインやミズノのブレスサーモの厚手インナーも普段使いしています。

夏であればユニクロのヒートテックなどでも十分ですが、真冬にはウール素材やアウトドア・スポーツブランドのもののほうがやはり暖かいです。

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小物類

  • 耳当て付き帽子
  • ネックウォーマー
  • 毛皮のミトンまたはインナー&防寒グローブ
  • ウールの靴下2枚重ね
  • スノーブーツ
  • 反射ベスト

真っ先に冷えやすい足先にも、ウール素材の厚手靴下を履きます。

最近のお気に入りは、ヤクウール100%の靴下

標高3,000mを超える極寒のモンゴルに生息しているヤクの毛は、極地での防寒対策にもぴったりでとても暖かいです。

ウール素材はチクチクするものもありますが、ヤクウールはふわふわした肌触りで敏感肌でも快適に着用できます。

長時間外出するときは、この靴下の上に厚手のウール靴下を重ね履きします。

ツアー参加時の服装

夏のクルーズ・ボートツアー

【6月~8月】

防風アウター、フリース、トレッキングパンツ、防寒グローブ、インナーグローブ、ネックウォーマー、ニット帽

船旅に出かける場合は、風のせいで実際の気温よりも寒く感じることが予想されます。

天気予報に関係なく、暖かくて防風性の高いアウター、帽子、手袋を持って行きましょう。

服装

  • 防風ジャケット
  • セーターまたはフリース
  • 半袖シャツまたは薄手の長袖インナー
  • 厚手のトレッキングパンツ
  • 厚手の保温タイツ

アウターは耳が冷たいときや防風性を高めたいときにかぶれるフード付きのものが便利です。

気温によっては半袖シャツの替わりに薄手の長袖インナーなどを着ることもあります。

ちなみに、体に直接風を受けるRIBボートツアーでは特別な防寒着が提供されます。

そのツアーに参加する場合は、防寒着の中に厚手のセーターやフリース、厚手の長袖インナーを着用。

ボトムスも厚手で暖かいものと保温タイツを重ね履きします。

小物類

  • ニット帽
  • ネックウォーマー
  • 防寒グローブ
  • インナーグローブ

冷たい海風から首元や顔を守るネックウォーマーも必需品です。

冬のスノーモービル・犬ぞりツアー

【11月~4月】

防寒着、バラクラバ、耳付き帽子、ネックウォーマー、ゴーグル、ミトン、インナーグローブ、ウール靴下

スヴァールバル諸島では真冬のアクティビティを楽しむために、専用の防寒着があります。

このつなぎ服だけでわりとしっかり防寒できるので、中に着る服は少なめです。

というのも、つなぎ服は厚手で重さがあり、中に着込みすぎると動きにくくなってしまいます。

服装

  • 防寒つなぎ
  • 厚手のセーターまたはフリース
  • 中厚手または厚手の長袖インナー
  • 厚手のトレッキングパンツ
  • 厚手の保温タイツ
  • (フリースパンツ)

トップスは厚手のセーターやフリースと厚手の長袖インナーを着ます。

スノーモービルや犬ぞりなどのアクティビティは、長時間にわたり冷たい風を受けるため、体温が奪われて体が冷えやすいです。

インナーはウール素材の保温性の高いものがおすすめです。

ボトムスにも厚手のパンツと保温タイツ、風が強い日や気温がマイナス20℃前後の日はさらにフリースのパンツを履くこともあります。

防寒小物

  • ゴーグル(★)
  • バラクラバ(★)
  • ネックウォーマーまたはマフラー
  • 防寒グローブ(★)
  • インナーグローブ
  • 耳付き帽子またはニット帽
  • ウールの靴下2枚重ね
  • スノーモービル・ブーツ(★)

★マークはツアーに含まれています

冷えやすい手足にもスノーモービルや犬ぞり専用の手袋とブーツを着用します。

風から顔を守るためのゴーグルとバラクラバも必須。

さらに首元を温め、外気が隙間から入り込まないように、ネックウォーマーやマフラーをバラクラバの上に身につけます。

まとめ

現地での観光を楽しむためには、気温に適した服選びが重要です。

極地では薄着で寒いよりも、多いかなと思うくらいの厚着が◎。

防寒対策が足りなくて寒い場合はどうにもなりませんが、暑い場合は重ね着を脱いで簡単に体温調節ができます。

ちなみに、現地では防寒着や防寒具のレンタルサービスはありません。

街中にはアウトドア用品店が多くあり、現地調達も可能ですが、基本的にウェアは有名どころのブランド品ばかり&観光客向けの価格で販売されています。

スヴァールバル諸島へ旅行する前に、念入りに準備して万全の服装で出かけましょう!