【スヴァールバル諸島】野生動物8選|ホッキョクグマは見られる?在住者目線で解説

スヴァールバル諸島
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「北極の野生動物」と聞いて、真っ先にホッキョクグマを思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

手つかずの自然が広がるスヴァールバル諸島には、ホッキョクグマだけでなく、トナカイやライチョウ、ホッキョクギツネ、セイウチ、クジラ、海鳥など、さまざまな野生動物が暮らしています。

町歩き中にふと出会える動物もいれば、ボートツアーやスノーモービルツアー中に、運よく遠くに姿を見つける動物もいます。

この記事では、スヴァールバルで見られる主な野生動物を、在住者の視点から紹介します。

どんな動物に出会える可能性があるのかを知っておくと、町歩きや現地ツアーがもっと楽しくなるはずです。

この記事でわかること
  • スヴァールバルで見られる主な野生動物
  • 在住者が感じる、野生動物の出会いやすさランキング
  • 動物ごとの見かけやすい時期・場所
  • 野生動物を観察するときの注意点とマナー

スヴァールバルで野生動物を見る前に知っておきたいこと

スヴァールバルの海岸でガイドと観察するセイウチの群れ

スヴァールバルの野生動物は、厳しい北極の環境に適応して暮らしています。

ロングイェールビーンの町中で野生動物を見かけることもありますが、動物にとっては、人間の行動が負担になってしまうこともあります。

観察するときは、「自然の中にお邪魔させてもらう」という気持ちを忘れず、近づきすぎずに距離を保って楽しむことが大切です。

町の外へ出るときは、ガイド付きツアーを基本に

ロングイェールビーンの町中や周辺では、トナカイやライチョウを見かけることがあります。

ただし、町中で見かける動物であっても、写真を撮るために近づいたり、追いかけたり、餌をあげたりするのは避けましょう。

一方で、町の外へ出る場合は、天候の急変や遭難、雪崩、ホッキョクグマとの遭遇など、スヴァールバルならではのリスクがあります。

町から少し離れただけでも、そこは北極の自然の中です。
野生動物を探すために、旅行者が個人で郊外へ歩いて行くのは避けましょう。

郊外やフィヨルド方面で野生動物を見たい場合は、現地の環境をよく知るガイド付きツアーに参加すると安心です。

ロングイェールビーン発のツアーでは、季節や行き先によって、トナカイやライチョウ、ホッキョクギツネ、セイウチなどを見かけることがあります。

安全に町の外の自然を楽しむための選択肢として、ガイド付きツアーを検討してみるのがおすすめです。

╲ロングイェールビーン発╱

ホッキョクグマは「探しに行く動物」ではない

スヴァールバル旅行では、ぜひホッキョクグマを見たいという人も多いのではないでしょうか。

一方で、ホッキョクグマを探したり、追いかけたり、餌でおびき寄せたりすることは禁止されています。

そのため、いわゆる「ホッキョクグマ・サファリ」のように、ホッキョクグマを探しに行くことを目的にしたツアーはありません。

スノーモービルやボートツアーなど、自然の中を巡るツアー中に、運がよければ遠くに見えることはあります。
ただ、万が一遭遇した場合も、ガイドは参加者の安全を最優先に行動し、無理に近づくことはありません。

ホッキョクグマは「見に行く動物」というより、自然の中で偶然出会えたらとてもラッキーな野生動物として考えておくのがよいと思います。

在住者が選ぶ|スヴァールバルで出会いやすい野生動物ランキング

スヴァールバル旅行を計画していると、「実際にはどんな野生動物に出会えるの?」という点が気になる人も多いと思います。

ここでは、ロングイェールビーン在住の筆者が、日々の暮らしや現地ツアーでの体験をもとに、スヴァールバルで出会いやすい野生動物をランキング形式でまとめました。

旅行で数日だけ滞在する場合とは少し違うかもしれませんが、スヴァールバルの野生動物との距離感を知る参考にしてみてください。

1位:トナカイ

スヴァールバルでいちばん身近な野生動物は、やはりトナカイです。
町中でも普通に歩いていて、自宅の窓から見えることもあります。

最初は「北極でトナカイを見た!」と感動していましたが、暮らしていると、だんだん町の風景の一部のように感じる存在になっていきます。

≫≫ トナカイの見かけやすい時期・場所の目安を見る

2位:海鳥

夏になると、スヴァールバルの海沿いやフィヨルドは一気ににぎやかになります。
冬のあいだ静かだった景色に、海鳥の鳴き声や、船のまわりを飛び交う姿が戻ってくる季節です。

海が穏やかな日には、フィヨルドにぷかぷか浮かぶニシツノメドリ(パフィン)に出会うことも多いです。

≫≫ 海鳥の見かけやすい時期・場所の目安を見る

3位:ライチョウ

ライチョウは、見つけるとうれしいけれど、意外と身近な野鳥です。

夏は道端や住宅地の近くで見かけることもあります。
まだ雪が残る春は景色に溶け込んでいて、鳴き声だけ聞こえる、ということもあります。

一方で、極夜の時期は暗い時間が長く、私自身も山の近くへ行く機会が少ないため、あまり見かけた記憶はありません。

≫≫ ライチョウの見かけやすい時期・場所の目安を見る

4位:ホッキョクギツネ

ホッキョクギツネは、見かけると今でもかなりうれしい動物です。

トナカイやライチョウほど頻繁ではありませんが、町周辺でふと姿を見ることがあります。
ただ、動きが速くて、気づいたときにはもう遠くへ走っていってしまうことも多いです。

≫≫ ホッキョクギツネの見かけやすい時期・場所の目安を見る

5位:セイウチ

セイウチは、出会えると満足感が大きい野生動物です。

浜辺でごろごろ寝そべっている姿は迫力があるのに、好奇心旺盛でチャーミングな一面もあります。
個人的には、スヴァールバルの野生動物の中でも、セイウチ・ウォッチングが一番好きです。

≫≫ セイウチの見かけやすい時期・場所の目安を見る

6位:クジラ

クジラは、夏の海を見ていると「もしかして」と期待したくなる存在です。

特にシロイルカは、町の近くのフィヨルドに現れ、陸上から姿が見えることもあります。
ミンククジラも、比較的よく姿を見せる種類のひとつです。

≫≫ クジラの見かけやすい時期・場所の目安を見る

7位:アザラシ

アザラシは、数としてはいるはずなのに、生活の中で見かける動物ではありません。

町から離れたエリアの氷の上や、水面に顔を出している姿を見かけることがあります。
ただ、遠くに見えることも多く、気づけるかどうかは運にも左右されます。

≫≫ アザラシの見かけやすい時期・場所の目安を見る

8位:ホッキョクグマ

ホッキョクグマは、出会いたいような、出会いたくないような、少し複雑な存在です。

町周辺で目撃された場合は現地当局が対応するため、通常の生活圏で気軽に出会う動物ではありません。
それでも、町の外やツアー中などで、住民や旅行者による目撃情報が出ることはあります。

私自身、実際に目の前で遭遇したわけではありませんが、あとから「実は近くにホッキョクグマがいた」と知ってヒヤッとしたことが何度かあります。

私がホッキョクグマを見たのは、これまでに2回。
1回はロングイェールビーン発の日帰りボートツアー、もう1回は数日間のスヴァールバル周遊クルーズ中でした。

周遊クルーズのほうが出会える可能性は高いといわれていますが、それでも必ず見られるわけではありません。
私が乗船したクルーズのガイドによると、ホッキョクグマに出会えるのは「3クルーズに1回くらい」とのことでした。

≫≫ ホッキョクグマを見られる可能性と注意点を見る

町歩きやツアーで出会えるスヴァールバルの野生動物8選

ここからは、スヴァールバルで見られる主な野生動物を、動物ごとに紹介します。

町歩き中に見かけることがある動物から、ツアー中に出会えたらうれしい動物まで、在住者の視点で見かけやすい場所や時期、観察するときの注意点をまとめました。

トナカイ|町の風景に溶け込む、いちばん身近な存在

雪の斜面に立つスヴァールバルのトナカイ

スヴァールバルで旅行者が比較的出会いやすい野生動物といえば、スヴァールバル・トナカイです。

ロングイェールビーンの町中や周辺で、草を食べたり、ゆっくり歩いたりしている姿を見かけることがあります。

  • 見かけやすさ:★★★★★ ツアーなしでも見かけやすい
  • 見かけやすい時期:通年(春〜夏は特に見つけやすい)
  • 見かけることがある場所:ロングイェールビーン町中・周辺、町歩き中など

短い脚と丸い体は“北極仕様”

スヴァールバル・トナカイは、スヴァールバルに暮らす固有亜種です。
ほかの地域のトナカイと比べると、脚が短く、丸みのある体つきをしているのが大きな特徴です。

このずんぐりした体型は、寒さの厳しい北極の環境に適応した姿だといわれています。

たとえば、短い脚と丸い体には、次のようなメリットがあります。

  • 体温が逃げにくい
  • 吹きつける冷たい風の影響を受けにくい
  • 少ないエネルギーで動きやすい

一見のんびりした見た目ですが、実は北極で生きるために適した体つきなのです。

短い夏に食べて、長い冬に備える

スヴァールバルの夏は短く、植物が育つ期間も限られています。

そのため、夏のトナカイは草やコケを食べながら、長い冬を乗り切るためのエネルギーを蓄えています。
条件がよければ、夏のあいだに10kg以上の脂肪を蓄えることも。

町中でのんびり草を食べているように見えても、実は厳しい冬に備える大切な時間なのです。

冬は白っぽい灰色、夏は茶色っぽい毛色になり、季節によって印象も少し変わります。

また、トナカイはオスもメスも角を持つ動物です。
夏から秋にかけてはオスもメスも角を持つことがありますが、冬に角が残っている個体はメスのことが多いです。

見かけることがある場所・場面

トナカイは、町の中心地や住宅街までやってくることがあります。

町中で特に見かけやすい場所は、次のようなエリアです。

  • 町の中心部から教会へ向かう道沿い
  • Funken LodgeからNybyen方面へ向かう途中の草地
  • Nybyen周辺の山の斜面
  • 住宅街の近くの草地

町歩き中に出会えることもあるため、トナカイだけを目的にするなら、基本的にはツアーに参加しなくてもチャンスがあります。

🔵 見つけ方と観察するときのポイント

夏は草を食べながら動いている姿を見かけやすく、町の中でも存在に気づきやすい時期です。
一方で、冬は白っぽい毛色が雪景色にまぎれやすく、少し距離があると気づかないこともあります。

町中で見かけると、つい近くで写真を撮りたくなりますが、相手は野生動物です。
進路をふさいだり、追いかけたり、餌をあげたりせず、少し離れた場所から静かに観察しましょう。


ライチョウ|町歩き中にふと出会う、ふっくらかわいい野鳥

雪景色の中に立つ白いライチョウ

スヴァールバルで、トナカイと並んで町歩き中に出会えることがある野生動物がライチョウです。

山のふもとや斜面、道沿いなどをよく見ていると、ちょこちょこと歩いていたり、じっとたたずんでいたりする姿に気づくかもしれません。

  • 見かけやすさ:★★★★☆ 町中や周辺で見かけることがある
  • 見かけやすい時期:通年(春〜夏は見かける機会が増えやすい)
  • 見かけることがある場所:ロングイェールビーン町中・周辺、山の斜面など

足の指まで羽毛に覆われた“雪の鳥”

スヴァールバル・ライチョウは、一年を通して島にとどまる、スヴァールバルを代表する野鳥です。

厳しい冬を乗り切るため、体はふっくらとしていて、足の指まで羽毛に覆われています。
まるで「羽毛の靴」を履いているような姿で、雪の上を歩くのにも適した体つきです。

冬は全身が白っぽくなり、雪景色の中に溶け込みます。
一方で、夏になると茶色っぽい羽に変わり、岩場や草地にまぎれやすい姿に。

季節によって羽の色が変わるのは、周囲の景色に身を隠すためのカモフラージュでもあります。

岩場に立つ夏羽のライチョウ
夏羽のライチョウ

見かけることがある場所・場面

ライチョウは、町の中心部から少し外れた場所や、山の斜面、岩場の近くで見かけることがあります。

ロングイェールビーン周辺では、次のような場所で出会うことがあります。

  • Funken LodgeからNybyen方面へ向かう道沿い
  • Nybyen周辺
  • Huset周辺
  • Taubanesentralen周辺の斜面
  • 町の外れの岩場や草地

ライチョウは町歩き中に見かけることもあるため、ライチョウだけを目的にするなら、まずは町周辺を歩きながら探してみるのもおすすめです。

ただ、ガイド付きツアーで郊外や山の近くへ出かけると、移動中にライチョウを見かけることもあります。

🔵 見つけ方と観察するときのポイント

ライチョウは、近くにいてもすぐには飛ばず、地面を歩いて移動していることが多いです。
春から夏にかけては、雪のない場所や草地で動いている姿に気づきやすくなります。

一方で、冬から春先にかけては白い羽が雪景色に溶け込みやすく、近くにいても見落としてしまうことがあります。

1羽見つけたときは、近くにほかの個体がいることもあるので、周囲をそっと見てみるのもおすすめです。

ただし、写真を撮るために近づきすぎたり、追いかけたりするのは避けましょう。
かわいらしい姿を見かけても、少し距離をとって静かに観察するのが安心です。


ホッキョクギツネ|町周辺でふと姿を見せる、すばしっこいキツネ

雪の残る岩場に立つ白いホッキョクギツネ

スヴァールバルで、運がよければ町周辺でも出会えることがあるのがホッキョクギツネです。

ふさふさの毛に覆われた小さな体で、雪原や岩場をすばやく移動する姿はとてもかわいらしいですが、見られても一瞬のことが多いです。

  • 見かけやすさ:★★★☆☆ 運がよければ町周辺でも出会える
  • 見かけやすい時期:通年(春〜秋、特に6〜8月ごろは見かける機会が増えやすい)
  • 見かけることがある場所:ロングイェールビーン町周辺、静かなエリア、山の斜面など

冬は白、夏は茶色。まれに青型も

ホッキョクギツネは、スヴァールバルに暮らす小型の肉食動物です。

寒さの厳しい環境でも活動できるように、体はふさふさの毛で覆われています。
耳や脚が短く、体の熱を逃がしにくい姿をしているのも特徴です。

足の裏にも毛が生えていて、雪や氷の上を歩くのに適した体つきをしています。

ホッキョクギツネの毛色は、季節によって変わります。

  • 冬:白っぽい毛色になり、雪景色にまぎれやすい
  • 夏:茶色やグレーがかった毛色になり、岩場や草地に溶け込みやすい

また、ホッキョクギツネには白っぽく変化するタイプだけでなく、濃いグレー系の毛色をした「青型」と呼ばれるタイプもいます。

スヴァールバルでは白いタイプを見かけることが多く、青型に出会えたらかなりラッキーです。

濃いグレー系の毛色をした「青型」のホッキョクギツネ
青型のホッキョクギツネ

見かけることがある場所・場面

ホッキョクギツネは、町の中心部で頻繁に見かける動物ではありません。

ただ、町周辺の静かな場所や、山の斜面、岩場の近くでふと姿を見せることがあります。
特に春から秋にかけては、町の周辺でも動き回る姿を見かける機会が少し増える印象です。

ロングイェールビーン周辺では、次のような場所で見かけることがあります。

  • 町中心部から少し離れた静かなエリア
  • Nybyen方面
  • 墓地周辺の山の斜面
  • Tommy’s Lodge周辺
  • 郊外へ向かうツアーの移動ルート

歩いているときに突然前を横切ったり、遠くの斜面をすばやく移動していたりすることもあります。

🔵 観察するときのポイント

ホッキョクギツネは警戒心が強く、人の気配を感じるとすぐに離れていくことがあります。
見かけたときは、追いかけたり、無理に近づこうとしたりせず、その場から静かに見守りましょう。

遠くからでも、雪原や岩場をすばやく動く姿を見られたら、スヴァールバルらしい野生動物との出会いとして記憶に残るはずです。


セイウチ|海岸でごろごろ休む、迫力ある夏の人気者

海岸で休むセイウチの大きな体と長いキバ

スヴァールバルの海岸やフィヨルド方面で、春から夏にかけて出会えるチャンスがあるのがセイウチです。

大きな体に長いキバを持ち、海岸で何頭も集まって休んでいる姿は、遠くから見ても迫力があります。

  • 見かけやすさ:★★★☆☆ ツアーならチャンスあり
  • 見かけやすい時期:春〜夏(4〜8月ごろは海岸で休む姿を見やすい)
  • 見かけることがある場所:フィヨルド方面、海岸、ボートツアー中など

1トンを超える体で、海岸にごろり

セイウチは、北極圏に暮らす大型の海洋哺乳類です。
大きなオスでは体重が1トンを超えることもあり、長く伸びたキバも大きな特徴です。

このキバはオスだけでなくメスにもあり、氷や海岸に上がるときや、群れの中での力関係を示すときなどに使われます。

見た目はとても迫力がありますが、海岸で休んでいるときは、何頭も寄り添うように寝そべっていることが多いです。

ごろごろと横になっている姿は、どこかのんびりして見えて、個人的にもスヴァールバルで出会うとうれしい動物のひとつです。

見かけることがある場所・場面

セイウチは、ロングイェールビーンの町歩き中に気軽に見られる動物ではありません。

町周辺の海沿いでまれに見かけることもありますが、旅行者がセイウチを見たい場合は、ボートツアーに参加するのが一般的です。

セイウチは同じ休息場所に戻ることがあるため、ツアーではセイウチが休んでいることの多い海岸やフィヨルド方面へ向かいます。

ロングイェールビーン発のボートツアーでは、Isfjorden方面やBorebukta周辺などで、セイウチの姿を見られることがあります。

特にBorebuktaは、セイウチ観察を目的に含むボートツアーの行き先になることもあるエリアです。
ロングイェールビーンからボートで約1時間ほどの場所にあり、海岸で休むセイウチの群れに出会えることがあります。

🔵 観察するときのポイント

セイウチは大きく、力の強い野生動物です。
海岸でのんびり寝そべっているように見えても、そこはセイウチにとって大切な休息の時間。

ボートツアーで観察する場合は、ガイドの指示に従い、距離を保って静かに見守りましょう。

無理に近づいたり、声を出して反応させようとしたりせず、遠くから眺めるだけでも十分に迫力を感じられます。


アザラシ|海氷や水面にひょっこり現れる、見つけるとうれしい出会い

氷の上で休むアザラシと青い氷河の風景

スヴァールバルのフィヨルドや海氷周辺で、運がよければ出会えることがあるのがアザラシです。

氷の上で静かに休んでいたり、水面に顔を出していたりすることが多く、遠くから見ると見落としてしまいやすい動物です。

  • 見かけやすさ:★★☆☆☆ ツアー中に運がよければ
  • 見かけやすい時期:春〜初夏(4〜6月ごろは海氷周辺で見つけやすい)
  • 見かけることがある場所:海氷の周辺、フィヨルド、ボートツアーやスノーモービルツアー中など

スヴァールバルで見られる代表的なアザラシ

スヴァールバル周辺で見られるアザラシには、いくつかの種類があります。

なかでも代表的なのが、ワモンアザラシとアゴヒゲアザラシです。

  • ワモンアザラシ:体に輪のような模様がある、小柄なアザラシ
  • アゴヒゲアザラシ:太く長いヒゲが特徴の、大きめのアザラシ

ワモンアザラシは、海氷のある北極の環境に適応したアザラシです。
氷の上で休んだり、水面に顔を出したりする姿を見かけることがあります。

また、ホッキョクグマの重要な獲物でもあり、北極の生態系の中で大きな役割を持つ動物です。

雪の上にいるワモンアザラシ
ワモンアザラシ
氷の上で休むアゴヒゲアザラシ
アゴヒゲアザラシ

見かけることがある場所・場面

アザラシは、ロングイェールビーンの町歩き中に見つけるというより、ボートツアーや、海氷の近くへ行くスノーモービルツアー中に出会える可能性がある動物です。

春から初夏にかけては、BillefjordやTempelfjorden周辺で、海氷の上で休んでいる姿を見かけることがあります。

夏以降は海の中で過ごす時間が長くなるため、水面に顔を出した一瞬を見かけるような場面もあります。

ただし、アザラシは野生動物なので、見られるかどうかはその日の天候や海氷の状態、ツアーの行き先、運にも左右されます。

🔵 見つけ方と観察するときのポイント

アザラシは、セイウチのように大きな群れで目立つ場所にいるとは限りません。

氷の上にぽつんと休んでいたり、水面から顔だけを出していたりすることが多いため、遠くからだと見つけにくいことがあります。

ボートツアーやスノーモービルツアー中にアザラシを探すなら、海氷の上や水面の小さな動きにも目を向けてみるのがおすすめです。

双眼鏡があると、遠くの氷の上にいるアザラシにも気づきやすくなります。

氷の上や水面に小さく見えるだけでも、アザラシに気づけたときはうれしい出会いになります。


クジラ|フィヨルドで突然姿を見せる、夏の海の楽しみ

氷河を背景に海面へ尾びれを見せるクジラ

スヴァールバルの海では、夏を中心にクジラに出会えることがあります。

ボートツアー中に突然水面に背中や尾びれが見えたり、町の近くのフィヨルドで白いシロイルカの群れを見かけたりすることもあります。

  • 見かけやすさ:★★★☆☆ 夏のボートツアーならチャンスあり
  • 見かけやすい時期:夏中心(6〜8月ごろ。シロイルカは通年で見られる可能性あり)
  • 見かけることがある場所:町周辺のフィヨルド、ボートツアー中など

シロイルカは町の近くに現れることも

水中で泳ぐシロイルカ
シロイルカ

スヴァールバル周辺で比較的見かける機会があるクジラのひとつが、シロイルカです。
真っ白な体と丸みのある姿が特徴で、群れでゆっくり泳いでいることがあります。

ロングイェールビーン周辺のフィヨルドに現れることもあり、タイミングが合えば、町の近くの海で白い背中が見えることもあります。

夏になると、餌を求めて回遊してくるクジラも増えます。
スヴァールバル周辺では、

  • ミンククジラ
  • ナガスクジラ
  • ザトウクジラ

などが見られることがあります。

また、かなりまれですが、シロナガスクジラやシャチ、イッカクなどが目撃されることもあります。

見かけることがある場所・場面

クジラは、ロングイェールビーンの町歩き中に気軽に見られる動物ではありません。

ただし、シロイルカは初夏から夏にかけて町の近くの海に現れることもあり、陸地から群れを見かけることがあります。

よりチャンスを増やしたい場合は、ボートツアーやクルーズに参加するのが一般的です。

Isfjorden方面では、夏のボートツアー中にクジラを見かけることがあります。
Billefjorden周辺でも、氷河や山の景色を背景にクジラが泳ぐ姿を見られることがあります。

🔵 見つけ方と撮影するときのポイント

クジラは突然姿を見せることが多いので、ボートツアー中は海面を広く見ておくと気づきやすくなります。
双眼鏡や望遠レンズがあると、遠くの海面にいるクジラも見つけやすいです。

波がある日はボートが揺れて、写真のピントを合わせるのが難しいこともあります。
写真にこだわりすぎず、動画で少し長めに撮っておくと、クジラの動きやフィヨルドの雰囲気も残しやすいです。


海鳥|短い夏のスヴァールバルをにぎやかにする鳥たち

スヴァールバルの夏を感じさせてくれる野生動物のひとつが、海鳥です。

冬のあいだ静かだった海沿いやフィヨルドに、夏になるとたくさんの海鳥が戻ってきます。

  • 見かけやすさ:★★★★★ 夏は見かけやすい
  • 見かけやすい時期:夏中心(6〜8月ごろがピーク)
  • 見かけることがある場所:海沿い、断崖、港周辺、ボートツアー中など

断崖に集まり、海を飛び交う夏の海鳥たち

スヴァールバルの夏は短く、海鳥たちはその限られた季節に繁殖のためにやってきます。

海沿いや断崖、フィヨルド周辺では、海鳥が飛び交ったり、鳴き声が響いたりして、冬とはまったく違うにぎやかな雰囲気になります。

スヴァールバルで見られる代表的な海鳥には、次のような種類があります。

Brünnich's Guillemot

ハシブトウミガラス / Brünnich’s Guillemot

黒と白のツートンカラーが特徴。夏には断崖に大きな群れで集まり、鳴き声と羽ばたきで海岸が一気ににぎやかになります。

Black Guillemot

ハジロウミバト / Black Guillemot

黒い体に白い羽斑と赤い足が目立つ小型の海鳥。港周辺や岩場で見かけることがあり、海面に浮かぶ姿もかわいらしいです。

Northern Fulmar

フルマカモメ / Northern Fulmar

風に乗って滑るように飛ぶ大型の海鳥。夏のボートツアーでは、船の近くをゆったり飛ぶ姿を見かけることがあります。

Black-legged Kittiwake

ミツユビカモメ / Black-legged Kittiwake

白っぽい体と黒い足先が特徴の小型カモメ。断崖に集まって繁殖し、港や船の近くでも見かけることがあります。

Arctic Tern

キョクアジサシ / Arctic Tern

北極と南極の間を旅する、長距離移動で知られる鳥。繁殖期は巣を守るため、頭上近くを飛んで威嚇することがあります。

King Eider / Common Eider

ケワタガモの仲間 / Eider

沿岸や湾内で見かけることがある海辺の鳥。オスは模様や色が美しく、海面に群れで浮かぶ姿もよく目立ちます。

なかでも人気があるのが、カラフルなくちばしが特徴のニシツノメドリです。
丸みのある体と愛嬌のある見た目から、「海のピエロ」と呼ばれることもあります。

ボートツアー中にフィヨルドの海面にぷかぷか浮かんでいたり、断崖周辺を飛んでいたりする姿を見かけることがあります。

岩場に立つカラフルなくちばしのニシツノメドリ
ニシツノメドリ

見かけることがある場所・場面

海鳥は、ロングイェールビーンの町周辺でも見かけることがあります。

港の近くや海沿いを歩いていると、カモメの仲間やケワタガモ、ハジロウミバトなどが海面に浮かんでいたり、岸辺で休んでいたりする姿に出会えるかもしれません。

より多くの海鳥を見たい場合は、ボートツアーやフィヨルド方面のツアーがおすすめです。

夏のボートツアーでは、フルマカモメが船の近くを飛んだり、断崖の周辺でウミガラスの仲間が集まっていたりする場面に出会えます。

9月以降は渡りが始まり、海鳥の数は少しずつ減っていきます。
バードウォッチングを楽しむなら、やはり夏が一番いい時期です。

🔵 見つけ方と観察するときのポイント

海鳥は、ほかの野生動物に比べると見かける機会が多いです。

ただ、種類によって見られる場所や行動は少しずつ違います。
海面に浮かんでいる鳥、断崖に集まる鳥、船の近くを飛ぶ鳥など、場所によって見え方が変わります。

ボートツアー中は、海だけでなく、崖や岩場、船の周りにも目を向けてみてください。

キョクアジサシなど、繁殖期に巣の近くを守ろうとする鳥もいます。
頭上近くを飛んで威嚇することがあるので、営巣していそうな場所では距離をとって歩くと安心です。


ホッキョクグマ|見られたらラッキーなスヴァールバルの代表格

海氷の上にいるホッキョクグマと氷河の風景

スヴァールバルといえば、ホッキョクグマを思い浮かべる人も多いと思います。
町のいたるところにホッキョクグマのモチーフがあり、まさにスヴァールバルを代表する野生動物です。

ノルウェー極地研究所によると、スヴァールバルを含むバレンツ海一帯には、約3,000頭規模のホッキョクグマが生息しているとされています。

ただし、その多くは海氷に沿って広い範囲を移動しており、スヴァールバル周辺にとどまる個体は一部です。
過去の調査では、スヴァールバル周辺の個体数は約300頭規模と推定されています。

  • 見かけやすさ:★☆☆☆☆ 見られたらラッキー
  • 見かけやすい時期:春〜初夏(4〜6月ごろに可能性が高まりやすい)
  • 見かけることがある場所:町の外、海氷周辺、スノーモービルツアーやボートツアー中など

白く見える毛、黒い皮膚。寒さに強い体のひみつ

ホッキョクグマは真っ白な動物に見えますが、実は毛の下の皮膚は黒い色をしています。

白く見える毛も、色が白くついているわけではありません。
透明に近く、中が空洞になった毛が光を散らすことで、白く見えるといわれています。

さらに、体を守っているのが、分厚い脂肪と密な毛です。

脂肪は冷たい空気や海水から体を守り、毛は空気を含むことで体温を逃がしにくくします。

小さな耳や丸みのある体つきも、熱を逃しにくくするための特徴です。

見た目はふわふわしてかわいらしく見えますが、その体には、北極の寒さの中で生きるための工夫が詰まっています。

見かけることがある場所・場面

出会える可能性があるのは、主に海氷のあるエリアやフィヨルド方面など。
運がよければ、遠くに白い姿を見つけるようなイメージです。

春から初夏、特に4〜6月ごろは、海氷が残りやすく、アザラシも海氷周辺で過ごす時期です。
そのため、ホッキョクグマに出会える可能性が比較的高まりやすい時期といわれています。

7月以降も目撃されることはありますが、海氷の状態や移動ルートによって大きく変わります。
春〜初夏に比べると、旅行者がロングイェールビーン発の日帰りツアー中に見かけるチャンスは少し下がる印象です。

そのため、春のスノーモービルツアーでは、Tempelfjordenや東海岸方面など、海氷が残りやすいエリアへ向かうツアーが人気です。

初夏のボートツアーでは、BillefjordenやNordenskiöldbreen方面でホッキョクグマを見かけることがあります。

とはいえ、こうした場所へ行けば必ず出会えるわけではありません。
天候や海氷の状態、ツアーの行き先、その日の運によって大きく変わります。

🔵 観察するときのポイント

ホッキョクグマは、とても美しい一方で、非常に危険な野生動物です。
ツアー中に見つけた場合は、必ずガイドの指示に従い、安全な距離を保って観察しましょう。

スヴァールバルでは、ホッキョクグマに近づきすぎないための距離ルールも定められています。
双眼鏡や望遠レンズがあると、遠くにいるホッキョクグマの姿も確認しやすくなります。

近くで見ることを期待するより、北極の風景の中に白い姿を見つけられたらラッキー。
そのくらいの気持ちでいると、スヴァールバルらしい野生動物との出会いを楽しみやすいと思います。

まとめ|スヴァールバルの野生動物との出会いを楽しむために

スヴァールバルでは、町歩き中にふと出会える動物もいれば、現地ツアー中に見かけたらラッキーな動物もいます。

この記事で紹介した野生動物を、出会いやすさ・時期・見かける場面ごとにまとめました。

動物出会いやすさの目安時期の目安見かけることがある場所・場面
トナカイ高め通年町中・町周辺、町歩き中
海鳥高め夏中心海沿い、港周辺、断崖、ボートツアー中
ライチョウ比較的高め通年町周辺、山の斜面、岩場
ホッキョクギツネ町周辺でもチャンスあり通年町周辺の静かなエリア、山の斜面など
セイウチ春〜夏のツアーならチャンスあり春〜夏フィヨルド方面、海岸、ボートツアー中
クジラ夏のツアーならチャンスあり夏中心町周辺のフィヨルド、ボートツアー中
アザラシ運がよければ春〜初夏中心海氷周辺、フィヨルド、ボートツアーやスノーモービルツアー中
ホッキョクグマ見られたらラッキー春〜夏中心町の外、海氷周辺、スノーモービルツアーやボートツアー中

野生動物との出会いをより楽しみたい人は、双眼鏡があると便利です。
私も町の外へ出かけるときは、双眼鏡を持っていくことが多いです。

トナカイやライチョウは町歩き中に見かけることもありますが、アザラシやクジラ、ホッキョクグマなどは遠くに見えることも多く、肉眼だけでは気づきにくい場面もあります。

ボートツアーやスノーモービルツアーに参加する予定があるなら、必要な期間だけ双眼鏡をレンタルしておくのもひとつの方法です。

どんな動物に出会えるかは、その日その時の運次第です。

だからこそ、町歩き中にトナカイやライチョウを見つけたり、夏の海でクジラやセイウチの姿に気づいたり、ツアー中に思いがけない出会いがあったりすると、その瞬間が旅の記憶に残ります。

無理に探し回るのではなく、現地の自然や安全ルールを大切にしながら、スヴァールバルらしい野生動物との出会いを楽しんでみてくださいね。


📖 スヴァールバルの自然をもっと知りたいなら
スヴァールバルの野生動物や植物について、もう少し深く知りたい人には、写真が多めの自然ガイド本を読んでみるのもおすすめです。

動物ごとの特徴や、北極の自然にまつわる豆知識も載っているので、旅行前に眺めておくと、現地で野生動物を見かけたときの楽しみが少し増えると思います。

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