せっかく旅行に行くなら、ベストシーズンに訪れたいですよね!
私は現地在住でオールシーズンを経験しているということもあって、スヴァールバル諸島の旅行は何月がいいのか質問されることがあります。
個人的には3月と4月が一年で一番美しいときだと思いますが、実際は旅行の目的に合わせて時期を選ぶのがベスト。
この記事では、スヴァールバル諸島の季節の特徴やその時期に楽しめるアクティビティについて解説します。
季節ごとに違った魅力や楽しみ方があるので、何をしたいのかイメージしながら旅行の時期を選んでみてくださいね。
スヴァールバル諸島の季節
世界の北に位置するだけあって、スヴァールバル諸島では10月から5月までの約8か月間は雪で覆われています。
雪が降らないのは6月から8月までの約3か月間だけ。一年のほとんどが冬です。
ですが、年間を通して乾燥していて降水量は少なく、日本海側のような積雪はありません。
スヴァールバル諸島の主要な町、ロングイェールビーンでは積雪量が多い時期でも30cm程度です。
【ロングイェールビーン・月別の降水量】
年間降水量: 519 mm
比較として、東京の月別の降水量
年間降水量: 1653 mm
そんなスヴァールバル諸島でも、一年を通して季節の移ろいを感じることができます。
季節は大きく分けて3つ。
・晴れの冬 / Sunny Winter(3月~5月)
・極地の夏 / Polar Summer(6月~8月)
・オーロラの冬 / Northern Lights Winter(10月~2月)
さらに、サブシーズンとよばれる3つの季節があります。
・パステルカラーの冬 / Pastel Winter(2月~3月)
・黄金の秋 / Golden Autumn(8月~9月)
・ブルーライト / Blue Light(2月、10月)
なお、4月下旬~8月下旬は太陽が沈まない白夜で一日中明るいです。
反対に10月下旬~2月中旬は太陽が昇らない極夜となります。
オーロラの冬 10月~2月
10月
日照時間が短くなり、冬の気配が漂い始める10月。
極夜の前後、街全体が青い光に包まるこの時期は、ブルーライトまたはトワイライトシーズンとよばれれます。
しかし、10月は十分な雪が積もっていないことが多く、青い輝きはひかえめ。
本格的なブルーライトを体験したい方は2月がおすすめです。
また、スノーモービルや犬ぞり体験にも雪が足りません。
一方で10月はオーロラ鑑賞にいい時期。
サマータイム期間中でオーロラが現れる時間帯は遅いものの、比較的晴天が多いのでオーロラが見られる可能性は高いです。
10月26日から太陽が昇らない極夜が始まります。
観光はオフシーズンに入りますが、暗い時期を楽しむためにさまざまなフェスティバルが開催され、街は地域住民でにぎわっています。
・オクトーバーフェスト「The World’s Northernmost Oktoberfest」
・フードフェスティバル「Smak Svalbard /Taste Svalbard」
・ブルースフェスティバル「Dark Season Blues」
気軽に参加できるイベントばかりなので、この時期に旅行をする方はぜひ参加してみてくださいね。
クルーズツアー、ボートツアー、ハイキング、オーロラ鑑賞、フェスティバル
可照時間(日の出から日没まで)
10月1日 10時間29分
10月27日 0時間(極夜)
平均温度: -3.8℃
11月
11月はオーロラ鑑賞のシーズン本番。
中旬から太陽は地平線の6度以下に位置し、だんだん昼と夜の区別がつかなくなってきます。
下旬からは昼間でもオーロラが見られるほど十分に暗いです。
オーロラの季節の中で、11月は10月に次いで晴れの日が多く、オーロラの見られる可能性が高い時期。
本格的な冬が来る前で寒さはそこまで厳しくないので、オーロラ鑑賞をする際に体への負担も少なくなります。
しっかり防寒対策をすれば、ハイキングなどのアウトドア活動もまだまだ楽しめますよ。
なお、10月と同様に11月もスノーモービルや犬ぞりが体験できるほどの雪はありません。
そのため、氷の洞窟はハイキングツアーでのみ訪れることができます。
オーロラ鑑賞、氷の洞窟、ハイキング、鉱山見学、ビール醸造所の見学
可照時間(日の出から日没まで)0時間(極夜)
平均気温: -6.4℃
12月
12月は極夜の真っただ中。
一日中真っ暗で、時計を見なければ時間の感覚がなくなるほど。
スヴァールバル諸島でも冬至の12月21日または22日が一番暗い日です。
暗闇に包まれる12月ですが、街はクリスマスのイルミネーションで飾られます。
この時期、多くのレストランでは特別にクリスマスディナーを提供しています。
ぜひノルウェーの伝統的なクリスマス料理を試してみてください。
なお、クリスマスや年末にも現地ツアーが開催されるので、この時期に旅行される方も観光が楽しめます。
オーロラ鑑賞、氷の洞窟、ハイキング、鉱山見学、ビール醸造所の見学
可照時間(日の出から日没まで)0時間(極夜)
平均気温: -9.2℃
1月
1月も引き続き一日中暗い極夜。
11月中旬に始まった暗闇は、1月29日が最終日です。
2月中旬まで太陽はまだ地平線の下にありますが、1月30日から少しずつ明るくなり始めます。
1月は十分な積雪が期待でき、スノーモービルや犬ぞりのツアーが開催されます。
暗い中、アウトドアのツアーに参加しておもしろいの?
スヴァールバル諸島は光害が少ないので、晴れた新月の日には満点の星やオーロラが見られます。
反対に、満月の日は月に照らされた雪が輝き、周りの景色が見えるほど明るいです。
どちらにしても、北極圏の大自然を楽しむことができると思います。
スノーモービル、犬ぞり、オーロラ鑑賞、氷の洞窟、ハイキング、鉱山見学、ビール醸造所の見学
可照時間(日の出から日没まで)0時間(極夜)
平均気温: -10.9℃
2月
2月は暗闇と光の移行期間。
2月中旬に極夜が終わり、10月下旬以来、初めて太陽が地平線から顔を出します。
太陽が街を照らすのは3月に入ってからですが、太陽が昇るようになると空は日に日に明るくなっていきます。
日中の数時間は十分明るいので、スノーモービルや犬ぞりなどのアクティビティが盛んになる時期です。
また、極夜の終わりとともに、オフシーズンで少なかった観光客が戻ってきます。
昼間は空が淡いパステルカラーに染まり、夕方は深い青色のブルーライトが美しく、夜はオーロラが見られる2月。
幻想的な北極圏を体験したい方にぴったりな季節です。
スノーモービル、犬ぞり、氷の洞窟、ハイキング、オーロラ鑑賞
可照時間(日の出から日没まで)
2月1日~15日 0時間(極夜)
2月28日 7時間5分
平均気温: -11.6℃
晴れの冬 3月~5月
3月
太陽が街に戻ってくる3月。
3月上旬は「Sun Festival Week」とよばれ、一週間にわたり太陽の復活を祝います。
この期間はいろいろな催し物がありますが、一番の注目は3月8日に行われる「Solas tilbakekomst」とよばれるイベント。
地域住民は古い病院の階段に集まり、極夜後に初めて太陽が昇る瞬間をみんなで一緒に迎えます。
太陽が街に戻ってくると天気のいい日が増え、一気に春らしくなります。
スノーモービルや犬ぞりなどのツアーで北極圏の手つかずの自然を楽しむには最適な時期です。
ですが、気温は一年で最も寒い月になります。
長時間のツアーに参加する場合は、しっかりと防寒対策をして挑みましょう。
なお、オーロラ鑑賞におすすめなのは3月上旬まで。
3月中旬に入ると暗くなる時間が遅くなり、オーロラを見るのが難しくなります。
スノーモービル、犬ぞり、氷の洞窟、ハイキング、スキー
可照時間(日の出から日没まで)
3月1日 7時間23分
3月31日 15時間17分
平均気温: -12℃
4月
白夜がやってくる4月。
3月に引き続き晴天の日が多く、まさにベストシーズン!
4月中旬から太陽が沈まない白夜が始まり、真夜中の太陽を楽しむために夜遅くまでツアーが開催されます。
また、日が長いのでスノーモービルのツアーで街から遠く離れたところにも行くことができます。
氷河の目の前まで行ける東海岸のツアーやフィヨルドへ向かう西海岸のツアーなど、スバールバル諸島の魅力がつまったツアーが盛りだくさん。
冒険好きな方やアクティブに過ごしたい方におすすめな時期です。
スノーモービル、犬ぞり、氷の洞窟、ハイキング、スキー
可照時間(日の出から日没まで)
4月1日 15時間34分
4月18日 24時間(白夜)
平均気温: -8.8℃
5月
5月は雪が解け始める時期。
例年通りであれば、5月上旬はスノーモービルや犬ぞりが体験できるほど雪が残っています。
白夜で一日中明るく、寒さが和らぐ5月はスキーの遠征も人気です。
5月中旬になると急速に雪解けが進んでいき、ウィンタースポーツのシーズンは終わりを迎えます。
その代わりとして、クルーズツアーやボートツアーが開催されるようになります。
5月のフィヨルドは氷が張っていて、アザラシなどの野生動物を見るのにいい時期です。
運が良ければ、海氷の上を歩くホッキョクグマを目撃する可能性もあります。
5月上旬: スノーモービル、犬ぞり、氷の洞窟、ハイキング、スキー
5月下旬: クルーズツアー、ボートツアー、ハイキング、セイウチサファリ
可照時間(日の出から日没まで): 24時間(白夜)
平均気温: -2.2℃
極地の夏 6月~9月
6月
ようやく平均気温が氷点下から抜け出す6月。
フィヨルドや海峡に張っていた氷がなくなり、冬の間はアクセスできなかった場所にもボートツアーやクルーズツアーで行けるようになります。
この時期はクジラやセイウチもフィヨルドにやってくるようになり、野生動物に出会う可能性が高いです。
また、さまざまな種類の野鳥や植物も見られ、北極圏でも初夏の訪れが感じられます。
6月下旬ごろから、ハスキー犬農場の前では卵からかえったばかりの野鳥のヒナが見られます。
カヤック、サイクリング、クルーズツアー、ボートツアー、ハイキング、セイウチサファリ
可照時間(日の出から日没まで): 24時間(白夜)
平均気温: 3.6℃
7月
7月は本格的な夏の到来。
一年で最も暖かい月で過ごしやすいため、世界中から多くの観光客が訪れます。
また、夏の間は大型クルーズ船が寄港し、人口約2,500人の小さな街は一気ににぎやかになります。
6月に引き続き、クジラやセイウチなどの野生動物を見るのにいい時期です。
運がよければ、最大の哺乳類といわれるシロナガスクジラに遭遇するチャンスもあります。
白夜で一日中明るくて気温も暖かい7月は、真夜中のハイキングやサイクリングも楽しめます。
街中を歩いていると、野生のトナカイや野鳥の卵をねらうホッキョクギツネが見られるかもしれません。
カヤック、サイクリング、クルーズツアー、ボートツアー、ハイキング、セイウチサファリ
可照時間(日の出から日没まで): 24時間(白夜)
平均気温: 7℃
8月
8月は夏から秋の変わり目。
新緑が美しかった夏の大地は8月下旬からオレンジ色や黄色に変わり始め、黄金の秋とよばれるシーズンです。
夏の終わりとともに、4月に始まった白夜も終わりを迎えます。
8月下旬から再び太陽が沈むようになり、朝日や夕日を見ることができます。
とはいえ、まだ日が長く気温も暖かいので、6月や7月と同様に夏のアクティビティが楽しめる時期です。
そして、8月中旬からは海釣りのツアーが新しく加わります。
夏の終わりから秋にかけて、街周辺のフィヨルドではタラが釣れます。
釣り、カヤック、サイクリング、クルーズツアー、ボートツアー、ハイキング、セイウチサファリ
可照時間(日の出から日没まで)
8月25日 22時間47分
8月31日 19時間5分
平均気温: 6℃
9月
山頂に雪が積もり始める9月。
夏の間は多くの観光客やクルーズ客でにぎわっていましたが、9月中旬に入ると落ち着いてきます。
夏のハイシーズンの混雑を避けて旅行したい方にはおすすめの時期です。
気温は下がり始めるものの、ハイキングやクルーズツアーが楽しめるほど日中は明るいです。
しかし、本格的な冬の到来に備えて野生動物や野鳥はスヴァールバル諸島から南へ移動し始めるので、野生動物を見たい場合は9月上旬がぎりぎりとなります。
なお、8月下旬から9月は狩猟の時期。
家の前には狩ったばかりのトナカイやライチョウが干されており、その匂いにつられてホッキョクギツネが街中までやってくることがあります。
釣り、サイクリング、クルーズツアー、ボートツアー、ハイキング
可照時間(日の出から日没まで)
9月1日 18時間42分
9月30日 10時間45分
平均気温: 2℃
避けたほうがいい時期
絶対に旅行を避けたほうが良い!というわけではありませんが、12月や1月にスヴァールバル諸島を訪れる場合は注意が必要です。
冬本番の12月と1月は、猛吹雪や地吹雪になることがあります。
あまりにも天候が悪い場合はフライトがキャンセルされることも。
旅行の日程に余裕があれば大丈夫ですが、翌日に違うフライトなどに乗る予定があれば大変です。
実際に、私も1月に日本へ一時帰国する際に、悪天候でスヴァールバル諸島からオスロ行きのフライトがキャンセルされました。
オスロでのホテル一泊とオスロから日本行きの往復航空券を取り直すはめに。
幸いにも旅行保険でカバーできたので問題はありませんでしたが、全額自己負担だと痛い出費です。
この時期に旅行をする方は、日程に余裕を持つか、万が一のために旅行保険に加入しておくことをおすすめします。
ベストシーズンまとめ
一般的にスヴァールバル諸島は3月と4月がベストシーズンだといわれていますが、旅行の目的によっては夏や真冬が最適なシーズンにもなります。
季節ごとに違った魅力があるので、ぜひご自身に合ったベストシーズンを見つけてみてくださいね!